中国清華大学の調査によると、新型肺炎の影響で3分の1の中小企業が1カ月後に倒産する恐れがある。北京の縫製工場で働く女性。写真は2017年10月に撮影(GREG BAKER/AFP/Getty Images)

新型肺炎、中国中小企業「3割が1カ月後に倒産」

新型コロナウイルスによる肺炎の感染の影響で、中国の中小企業が厳しい状況に直面している。清華大学の研究報告では、3分の1の中小企業が、現有の資金では1カ月の企業活動しか維持できないとした。

中国ビジネス誌「中欧商業評論(Ceibs Business Review)」は2月6日、清華大学の経済管理学院、朱武祥教授らによる調査報告書を掲載した。朱教授らは、新型肺炎による企業活動の影響に関して、国内物流業やサービス業、建設業など955社の中小企業を対象に調査した。中で、「帳簿上の預金残高で、これから企業活動はどのくらい維持できるか」との質問があった。955社のうちの34%は、「1カ月しか維持できない」、33.1%の会社が「2カ月維持できる」、17.91%の会社は「3カ月維持できる」と回答した。「6カ月、またはそれ以上維持できる」と答えたのはそのうちの9.96%にとどまった。

新型肺炎による主な支出圧力について、62.78%の会社は「人件費および社会保険料」を示した。13.68%の会社は「家賃」、13.98%が「融資の返済」をそれそれ挙げた。

中国のクリスタル·オレンジ・ホテル (桔子水晶酒店)の創業者で、カラオケ店大手「魅KTV」の出資者でもある呉海氏は2月10日、SNS上で投稿し、自身の企業が「4月に倒産するかもしれない」と嘆いた。この投稿に中国の多くの経営者が共感した。

新型肺炎の感染拡大で、中国当局は人が集まるカラオケ店や映画館、スポーツクラブなどに営業停止を命じた。呉氏は、営業ができない上、固定の支出費用があるなか、自身の企業は「2カ月しか維持できない。投資家が引き続き投資してくれなければ、4月になると倒産するだろう」と書き込んだ。

呉氏によると、魅KTVが経営破たんした場合、約1500人の従業員が失業し、損失額は4億元に達する。

一部の地方政府は中小企業に対して、融資拡大や家賃の減免、社会保険料納付の延期などの支援策を発表した。

呉氏はこの支援策を非難した。社会保険料納付の延期について、「従業員がもうすぐ失業し、会社ももうすぐつぶれるのに、なぜ社会保険料などの納付を免除しないのか?営業を許可しないのに、社会保険料の徴収だけは忘れていない!」と怒りをあらわにした。

また、呉氏は「固定資産の抵当がなく、営業停止でキャッシュフローがない中小・零細企業に対して中国の銀行は融資しない」と言った。

(翻訳編集・張哲)

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