1月25日、台湾の桃園空港で、入港者の体温を検査している空港職員(GettyImages)

「他郷で死んだらそれは運命」在中台湾人、中国との航空便全面停止求める

中共ウイルス新型コロナウイルス)の感染が拡大する中国にとどまっている台湾人ビジネスマンは2月23日、台湾政府宛てのメッセージで、蔡英文総統に対して、中国と台湾を結ぶ旅客機の運航を全面的に禁止するよう求めた。

自身のフェイスブックでメッセージを投稿したのは劉進興さん。劉さんは投稿で、「北京の状況はとても深刻です。台湾は現在、中国の5つの空港からの飛行機を受け入れています」と防疫上の懸念を示し、「自分が住んでいる住宅地の近くから遺体3つが運び出された」と現地の状況に触れた。

「自分が中国を離れなかったのは、移動中、ウイルスを台湾に持ち込み、家族に感染させることを心配しているからです。蔡総統にぜひ、一時的に中国からのすべての旅客機の運航禁止を検討していただきたい」と求めた。

台湾政府は中共肺炎新型肺炎)の蔓延を受け、水際対策を強化してきた。2月8日、10日~4月29日、北京や上海、福建省アモイ、四川省成都を結ぶ便以外の旅客機の運航を停止にした。

また、2月5日、帰台する台湾人のうち中国大陸、香港、マカオへの渡航歴のある人には外出を禁止する「居宅検疫対象」にすると発表した。6日、中国人観光客の入境を全面的に禁止した。

中国からの航空便が全部禁止になった場合、中国にいる台湾人は戻れなくなる。劉さんは投稿で、「他郷で死んだら、それは運命として受け入れます。台湾にいる私の家族を総統によろしく頼みます」と捨て身の覚悟を述べた。

「中国に台湾人100万人がいるとしても、台湾には2000万人がいます。どちらが大事なのか、中国にいる私たちはよくわかっています。私たちのことを心配しないでください」と呼びかけた。

最後に「台湾にいる皆さんが安全であることは、外にいる私にとって最大の慰めだ」と締めくくった。

この投稿が内政部の陳宗彦政務次長の目に止まり、陳次長は劉さんに電話をかけ、政府の対応を説明したという。それによると、2月11日(原文のまま)から、中国大陸、香港とマカオの渡航歴のある台湾人に14日間の隔離措置を講じてから、現在の入国者数は1日200人あまりまで下がり、実質的な抑制効果を得られた。完全に入国拒否すれば、第三國経由の入国者に対する検疫が難しくなるという。

劉さんは翌日の投稿で政府の対応に理解を示した。

23日の投稿に1万2千人あまりのネットユーザーが「いいね」を押した。「尊敬に値する」「あなたが無事に帰るまで、台湾を守り抜く」「どうかご無事に」などのコメントが書き込まれた。

 

(翻訳編集・李沐恩)

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