米IBM社のロゴ (David Ramos/Getty Images)
米IBM社のロゴ (David Ramos/Getty Images)

米政府、中共ウイルス対策のためにスパコン共同企業体を立ち上げ

米国政府は3月23日、「COVID-19ハイパフォーマンスコンピューティングコンソーシアム」の発足を発表した。これにより、研究者は米国内のスーパーコンピュータへアクセスし、中共ウイルスとの戦いにおいて科学的発見のペースを大幅に上げることができる。

声明によると、この新しいコンソーシアム(共同企業体)は、ホワイトハウス、米エネルギー省、IBMが主導しており、マイクロソフトやグーグルなどのほか、NASAや国立科学財団などの連邦機関も参加しており、中共ウイルス研究のために無料のコンピューティング時間と機器を提供しているという。

大紀元は、 「COVID-19」 を引き起こす新種のコロナウイルスを 「中共ウイルス」 と呼んでいる。なぜなら、中国共産党の隠ぺいと管理の誤りによって、ウイルスが中国全土に広がり、世界的な大流行を引き起こしたからだ。

米国の最高技術責任者 (US CTO) であるマイケル・クラツィオス(Michael Kratsios)氏は、「アメリカはCOVID-19と戦うために団結しています。それはつまり、治療とワクチン開発の科学的研究を迅速に進めるために、世界レベルのスーパーコンピュータをフルに活用するということです。われわれは、トランプ政権の全米対応(whole-of-America response)の一環として連邦政府に参加している民間部門および学術界のリーダーに感謝します」と述べた。

研究者は、COVID-19関連の研究提案書をオンラインポータルを介してコンソーシアムに提出することができ、その後、パートナー機関のコンピューティング機器が割り当てられる。最高レベルの科学者とコンピュータ研究者で構成される専門委員会が提案者と協力して、最も即効性があるプロジェクトを迅速に評価し、強力なコンピュータが割り当てられる。

コンソーシアムを通じて利用できる洗練されたコンピューティングシステムは、バイオインフォマティクス、疫学、分子モデリングに関連する膨大な計算を処理し、ウイルスがどのように動き、どのような脆弱性を有するかを正確にシミュレーションすることができる。

これにより、それほど強力でないコンピュータや手作業で計算するのに数週間から数カ月かかっていた中共ウイルスに関する複雑な問題を、数時間から数日で理解できるようになる。

合計16台のスーパーコンピュータが使用され、プログラム命令を読み込んで実行する77万5000個のCPU(中央処理装置)コアと、CPUと連携して大量のデータを含む計算を高速化する3万4000個のGPU(グラフィックス処理装置)を備えている。

スーパーコンピュータはまた、研究者に330ペタフロップス以上の演算能力を提供する。ペタフロップとは、プロセッサの浮動小数点演算ユニット(基本的なマイクロプロセッサ回路よりも高速に数値を操作する特殊なコプロセッサ)のパフォーマンスを測定するために使用される測定単位である。

IBMによると、テネシー大学とオークリッジ国立研究所の医学研究者たちは、すでに世界最強のSummitスーパーコンピュータを使って8000種類の化合物をスクリーニングし、中共ウイルスの主要な「スパイク」タンパク質に結合する可能性が最も高い化合物を見つけ出したという。その結果、中共ウイルスのヒト細胞への感染能力を弱める可能性のある77種類の有望な化合物を特定することができた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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