2020年2月25日、ジュネーブにあるWHO本部で記者会見にのぞむブルース・エイルワード事務局長補 (Fabrice Coffrini/AFP via Getty Images)

WHO事務局長補、「台湾の加盟は?」の質問に取材打ち切る

世界でパンデミックが加速する中、台湾の感染者数は比較的少ない。どこよりも早く武漢の情報をキャッチし、迅速に水際対策を行った事も注目に値する。3月28日の時点で、3万人近くを検査した結果、感染者は283人、死亡者は2人。

一方、中国寄りとの批判を受けている世界保健機関(WHO)は、台湾に触れたくないようだ。

香港メディア・RTHKは先日、ビデオ取材で、ブルース・エイルワードWHO事務局長補に「台湾の加盟を検討しますか?」と質問した。次の瞬間、事務局長補は固い表情で押し黙った。記者が質問を繰り返すと、彼はビデオを遮断し、一方的に取材を打ち切った。

エイルワード事務局長補は、WHO合同調査チームを率いて2月に武漢入りし、「自分が感染したら、中国で治療を受けたい」とコメントした人物。彼は中国の発表をもとに、ひたすら中国の対応を褒めちぎる一方、世界各国の抑止対策が不十分だとしている。

しかし、WHOの初期対応の遅れや、中国の発表をうのみにする姿勢に、不信感を持つ人も多い。27日までに、テドロス事務局長辞任を求める署名は56万件以上集まっている。

台湾は昨年末、中国で呼吸器系の病気が流行しているという情報を掴み、人から人への感染の可能性があるとWHOに警告していた。台湾はWHOの発表を待たずに、1月初旬から水際対策を強化した。

一方、WHOは1月14日、中国政府の情報として、「人から人への感染の確たる証拠はない」と報告。同月20日、新華社電が初めて中国専門家の話として、人から人への感染を明らかにした。

中国問題専門家として知られるニューヨーク在住の横河氏は、台湾の感染抑止について、「WHOに頼らず、自力で防疫措置を行ったことが功を奏した」と分析している。

(翻訳編集・郭丹丹)

 

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