ツイッター社、中国外交官のアカウント一時凍結 プロパガンダ発信を問題視
ソーシャルサービスのツイッター(Twitter)は、駐キプロス中国大使の黄星原氏の個人アカウントおよび在スリランカ中国大使館の公式ツイッターアカウントを凍結した。 各国の中国大使館は、中共ウイルス(新型コロナウイルス肺炎、COVID-19)の情報を、海外のSNSを通じてプロパガンダを広めている。
ツイッターは、今年3月1日に開設された駐キプロス中国大使・黄星原氏のアカウントを「スパム(悪意ある宣伝)」とみなし、4月13日に凍結し、15日に解除した。黄氏は、中国共産党の中共ウイルスの対応を繰り返し擁護していた。
凍結前の12日、黄氏は、中国在住のスウェーデン女性による共産党擁護の投稿をツイッターに転載した。
中国浙江省寧波に住むスウェーデン人女性エイミー・ブロムクイスト(Amie Blomquist)さんは、Facebookに「どのように中国は嘘をついてきたか(How China Lied to the World)」と題した文書を投稿した。一見、中国に批判的なタイトルだが、実際は西側諸国を批判し、中国当局の支持を促す内容となっている。その大筋は、西側諸国は中国共産党のウイルス対応を嘲笑したり批判したりするだけで、多数の死者を出して失敗しているとした。最終的には、物資不足に陥る世界が「中国、助けて!」と悲鳴を上げる、というものだ。
エイミーさんの文章は一時的にインターネット上で話題になった。黄大使はこの文章をツイッターで転載し、「誹謗中傷では(感染症は)治らないし、批判するだけではコロナウイルスからあなたを保護できない」と書いた。
また、在スリランカ中国大使館の公式アカウントも、黄氏と同じ日に凍結された。発信情報の大半は、中国共産党の「マスク外交」を賛美したり、中国共産党の隠蔽疑惑を払拭するものだった。
現地メディアの批判を受けた同アカウントは公式ツイッターで、「これまでの中国の感染症死亡者数の合計は3344人だ。スリランカよりもはるかに少ない。誰が呪われているのか」と挑発した。
しかし、4月15日時点で、スリランカでは238人の感染、7人の死亡、63人の治癒が報告されている。中国大使館の内容は事実と一致しない。
ブラジル大統領の息子でもあるエドアルド・ボルソナロ(Eduardo Bolsonaro)下院議員は、中国共産党を「独裁者」と呼び「伝染病(の情報)を隠している」と発言した。同国のアブラハム・ワイントローブ(Abraham Weintraub)教育相もまた、中国共産党が「世界を支配する」ためにウイルスを利用し、伝染病を利用して巨額の利益を上げようとしていると4日、ツイートした。
これに対抗して、6日、駐ブラジル中国大使・楊萬明氏は、これらのブラジル側の主張を「荒唐無稽」とツイートした。
英メディアは、中国共産党が「意図的にウイルス発生情報を隠している」と報じた。 3月31日、在英中国大使館の公式サイトでは、この報道に対して不満を表明した。
フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン(Jean-Yves Le Drian)外相は14日、駐仏中国大使・盧沙野氏を呼び出し、最近の発言の一部に対する不満を伝えた。在仏中国大使館は最近、ウェブサイトに「フランスで大量の介護従事者が無断欠勤して逃亡し、高齢者が餓死している」との情報を書いている。
中国外交部報道官の趙立堅氏は3月12日、昨年10月に武漢で開催された世界軍事大会の際、ウイルスが米軍によって中国に持ち込まれたとツイートした。 このコメントには、米政界から強い反発を招いた。 4月初め、米国務省報道官は、中国習近平主席は米トランプ大統領に、肺炎ウイルスの流行に関する虚偽の情報プロパガンダを抑制することを約束したと述べた。