徳を植える
その昔、先祖代々裕福な家があった。その家の主人は、年を取ってから男の子をもうけた。主人は品格を持つ人になって欲しいと願い、子供に禅を意味する「浄本(じょうほん)」と名付けた。浄本は器量がよく、賢く見えたため皆に可愛がられた。
ある日、遠い高山の上で、一人の道士が慧眼(けいがん)で世の中を見まわしていた。すると、浄本の家の上空が、瑞祥(ずいしょう、めでたいことが起こる前兆)を意味する紫金色の光に覆われている。彼は、急いでそこに駆けつけた。
主人は道士の訪問を喜び、手厚くもてなした。浄本は道士を見ると、無邪気に笑った。道士は浄本を見ると、将来、浄本が自分に弟子入りすることが分かり、主人に次のように告げた。「浄本は生まれつき愚かで劣っているので、17歳までしか生きられません。しかし、私について『道』を学べば、彼の運命を変えることができるでしょう」。それを聞いた主人は、怒って道士を追い出した。道士は離れる際、「やむを得ない時には必ず浄本に『道』を学ばせてください」と、何度も主人に言った。
関連記事
子どもの読書習慣が、将来の収入や国全体のGDPにまで影響する――そんな驚きの研究結果が発表されました。紙の本が脳に与える効果や読書離れの現状まで、読書の価値を見直したくなる内容です。
栄養学者の子どもでもマクドナルドは“NGではない”。専門家たちが語るのは、罪悪感より柔軟性、そして食との健全な向き合い方。ファストフードとの付き合い方に悩む親が知りたい視点が満載の内容です。
「アヒルの足」と呼ばれる扁平足。見た目の問題と思われがちですが、放置すると骨格や筋肉の発達に悪影響を及ぼし、慢性的な痛みや体力低下につながることもあります。特に成長期の子どもには早期対応が重要です。
なぜ童話は子どもの成長に欠かせないのか。善悪の理解、想像力、人生への備えまで。時代を越えて愛される理由をひも解きます。
子どもが学ぶのは技術ではなく、美徳。シェイクスピアや寓話を通し「どう生きるか」を自分に問い直す――現代の教育観を覆す古典教育運動が、若い世代に精神的な豊かさを取り戻しています。