研究によると、毎日の飲酒は、適量であっても不整脈を発症させ、脳卒中や心不全などの合併症のリスクも高くなるという。(buritora / PIXTA)

毎日の飲酒 不整脈のリスク8%増加

一般的に、就寝前のお酒は、適量であれば血液の循環、ストレスの緩和、不眠症に効くという説がある。また、赤ワインは美容とアンチエイジングに効果があるという人もいる。しかし、最新の研究では、毎日の飲酒は不整脈のリスクを8%増加させるという。

オーストラリア・メルボルンにあるアルフレッド病院(Alfred Hospital)で行われた研究によると、毎日の飲酒は、適量であっても不整脈を発症させ、脳卒中心不全などの合併症のリスクも高くなるという。この論文は、『米国心臓病学会』(American College of Cardiology)定期刊行物に掲載された。

それまでの研究では、アルコール度数が低~中度のお酒を、女性は毎日一杯、男性は毎日二杯までとすれば、心臓疾患(※特に冠状動脈の疾患)のリスクが減ると考えられていた。

宴会でお酒を飲んだ後、突然、不整脈が発症することを「休日の心臓症候群」と呼ぶ。飲酒の習慣がある人は、たとえ一杯のお酒だけでも、不整脈を発症するリスクがある。

今回の研究は、飲酒を習慣とする90万人近くの人々を調査し、12年間のデータを分析したもの。その結果、いつもお酒を飲む人は、たとえ適量であっても心臓疾患にかかるリスクが高くなることが分かった。また、心臓疾患が原因で、血栓、脳卒中、心不全などの合併症を引き起こす可能性がある。

心臓内には、心臓を動かすために必要な電気信号を発している部分がある。長年の飲酒により、心拍、消化、呼吸など体の働きを調整する自律神経系に刺激を与え、心臓内の電気信号に乱れが生じ、心拍数が不規則な状態(=不整脈)になるのだ。

研究者は、「アルコールと不整脈の関係については、より多くの研究をしなければならない」と話す。飲酒の習慣がある人たちには、「不整脈の誘発を避けるために、休日の宴会は避け、毎日の飲酒を減らすこと」を提言している。

(翻訳編集・真子)

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