ハーバード大教授:座禅8週間で大脳に大きな変化

近年、日本に限らず、世界中でヨガに通う人が急増している。米ハーバード大学の心理学教授サラ・ラザール氏は、毎日の「座禅」で大脳の5つの部位の体積が実際に大きくなるという研究結果を報告した。座禅による瞑想を通して心身ともに良性効果があることが科学的に証明された。

5月初めに、米ミルケン研究所(MilkenInstitute)で開催された「Brain Wave: How Meditation Can Enhance and Elevate Your Mind」という座禅医学研究討論会で、座禅の効果について、プラシーボ効果ではなく、大脳の構造を良性に変化させる効果があるとサラ・ラザール教授は話した。プラシーボ効果とは、偽薬効果とも呼ばれ、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。

ラザール教授によると、毎日30分の座禅を8週間続けることで、人は大脳の5つの部位の体積が大きく変化するという。そのうち変化の最も大きいのが、感情の形成と処理、学習と記憶に関わりをもつ後部帯状回である。その他に学習や認知、記憶、情緒を調節する左海馬、態度や同情、慈善に関係ある側頭頭頂接合部(TPJ)、そしてストレスホルモンの放出や恐怖行動の産生に関係する扁桃体が小さくなるなどの変化が現れた。

人の心は身体と同様に鍛えることが出来る。座禅をすることで精神力と思考能力が鍛えられ、ストレスに負けない健康な体を形成することが出来るとラザール教授は語る。

ラザール教授は自分自身の20年以上に渡る座禅の中で、精神的圧力の減少や思考能力の明晰、慈悲心の増加など様々な効果が現れたことについても言及した。

(編集翻訳・山本アキ)