考えすぎる癖があり、過去を心の中で何度も振り返ったり、未来を先回りして想像したりしていると、不安や悩みを感じ、さらには夜中に眠れなくなることもあるかもしれません。これについて、ある専門家は、この習慣を正しい方向に活用し、過度な思考を自分にとっての強みへと変える方法を共有しています。
アメリカの心理学者マーク・トラヴァース氏は、「サイコロジー・トゥデイ」のウェブサイトに寄稿し、過度な思考とは「過去を反芻すること」と「未来を予演すること」という2つの習慣が循環的に繰り返される状態であると述べています。これら2つの習慣はいずれも、リラックスできない神経系の状態に由来し、考え続けてしまう原因になるとされています。
その結果、何度も考えてしまう出来事がすでに遠い過去のものであっても、脳は分析を続け、同じ経験を繰り返し思い返します。まるで、もう一度考え直せば最終的に問題が解決できるかのようにです。
このような過度な思考の背後には、多くの場合、拭い去れない未完了感や未解決感があります。ある感情が不快であったり捉えにくかったりすると、人はその感情と真正面から向き合うよりも、認知能力を使う方が安全だと感じがちです。こうした自己防衛から始まった本能は、次第に不適応な対処メカニズムへと変化していきます。
誤りの代償が大きかったり、不確実性が強い不安をもたらしたりする環境で育った人は、あらゆる可能な結果に対して心の準備をすることを学びがちです。時間が経つにつれ、不意打ちを避けるために思考は非常に警戒的になり、実際にはリスクが存在しなくても、常にリスクを探し続けるようになります。こうして、子どもの頃には身を守ってくれた戦略が、大人になると反芻思考の習慣へと変わってしまうのです。
自分がなぜ過度に考えてしまうのかを理解できれば、それと戦うのではなく、うまく導けるようになります。以下は、この習慣を上手に活用するための3つの方法です。
過度な思考を整理された思考へと変える
思考が堂々巡りに陥ったとき、そこから抜け出す最も早い方法は、それらを外に出すことです。例えば、頭の中にある考えを実際に「取り出し」、自分の目で見える場所に置くところを想像してみてください。
それらをただ書き出したり、「本当は何を明確にしたいのか」「どんな小さな一歩を取ることができるのか」といった単純な問いに分解したりするだけでも、思考は整理されやすくなります。
このシンプルな練習は、「認知的デフュージョン」の一例です。認知的デフュージョンとは、自分の考えと適切な距離を保つことで、それらを従うべき命令としてではなく、伝えようとしているメッセージとして受け取れるようになる状態を指します。
最近の研究では、自分の考えと距離を保つことが比較的得意な人、つまり考えを絶対的な真実ではなく心理的な出来事として捉えられる人は、記憶力や洞察力、自己認識を活かした問題解決において、より良い成果を示す傾向があることが分かっています。

過度に考えているときは 「もし~だったら?」に「それでどうなる?」で対抗
私たちの頭の中に次々と疑問や仮定の状況が浮かぶ主な理由の一つは、未解決の問題が自己不信を強めるためです。この過程を止める最も効果的な方法は、その空白を徹底的に埋めることです。例えば、「もし失敗したらどうしよう」と頭の中で繰り返す代わりに、「それでどうなるのか?」と問いかけることで、その思考パターンを遮断します。
2023年に発表された研究では、人が不確実性に直面した際に「最終的な決断」が下されるタイミングは、解決策を完全に理解したかどうかとは必ずしも関係しないことが示されました。この研究は、こうした突然の決断を、「メタ認知(元認知)」のレベルでの選択、すなわち深く考えることをやめるという決断に起因するものだと結論づけています。重要な決断がもたらす精神的な圧力は、人に反芻思考の循環を断ち切らせ、不確実性の中でも前進するきっかけを与えるのです。
過度な思考を先見性へと変える
過度な思考が同じ恐れの周囲を回り続けるだけであれば、有害になりやすいとされています。しかし、それが前進へと導くものであれば、同じように大きな力を持つ可能性があります。認知に関する研究によれば、人間の脳には生まれつき、未来のさまざまな可能性をシミュレーションする能力が備わっており、これを「予期的思考」と呼びます。
言い換えれば、私たちは突然現れた兆候に気づき、起こり得る状況を想像し、それに基づいて計画を立て、いくつかの準備的な行動を取ります。そして実際に状況が起きたとき、その準備を活用します。典型的な例としては、家を出た瞬間に空一面の黒い雲を見て、雨が降ると考え、本能的に家に戻って傘を取る行動が挙げられます。
有害な過度思考と有益な過度思考の違いは、意図にあります。思考が支配を目的としている場合、混乱を招きやすくなります。一方、理解を目的としている場合、明晰さをもたらす可能性があります。過度な思考を効果的に活用できる人は、有効な情報と無効な情報を区別し、自分の内面に対して対立ではなく、思いやりのある態度で向き合うことができるのです。
(翻訳編集 解問)
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