中国当局、「スーパー・マリオ・メーカー2」を削除、利用者の当局批判が原因か
任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」のソフト、「スーパー・マリオ・メーカー2」(中国語:超級馬里奥創作家2)がこのほど、中国の通販サイトから削除されたことが明らかになった。中国人プレイヤーがゲームを通して暗に体制批判を行ったことが原因だとみられる。
同ゲームは、プレイヤーが100以上のパーツを組み合わせて、オリジナルのコースを自由に作ることができる。プレイヤーがこのオリジナルコースをネット上に投稿すれば、他のプレイヤーがこのコースで遊ぶことができる。中国国内では、昨年12月に発売され、利用者は通販サイトの「京東(JD.com)」や「淘宝網」などで購入できた。
中国ポータルサイト「捜狐」6月12日付は、同ゲームは「淘宝網」で削除されたと報じた。理由は不明だという。
6月13日、中国人ネットユーザーはSNS上で、通販サイトで購入できなくなったと投稿した。ネットユーザーらによると、プレイヤーが作った一部のコースに「墻国聖上習煬帝の首作」(ネット封鎖を突破できない国の皇帝習煬帝の初作)などと名前を付けられた。また、プレイヤーが設定したユーザー名には、1989年6月4日に起きた天安門事件を指す「8964」もあった。習近平国家主席や共産党の統治への批判を連想させたことや、中国当局の情報統制に反したことが、ゲームを取り下げられた原因だと推測される。
中国のQ&Aサイト「知乎」では、「こういうみんなで楽しむゲームが取り下げられるとは夢にも思わなかった。みんな、これから毎日、(中国のテンセントが作ったゲーム)「王者栄耀」や「和平精英」をやってください。あ、この2つのゲームには殺人のシーンが多いから、やっぱり取り下げることを提案する。包丁が殺人に使われる可能性があるから、もう店で包丁を販売するのも禁止してよ」と不満をぶちまけたユーザーがいた。
また、海外ツイッター上では、中国人ネットユーザーらは「なぜゲームを楽しむのもこんなに難しいのか?」「私たちはいつになれば、普通に生きられるのか」と嘆いた。
現在、中国国内ネット上では、プレイヤーによる「スーパー・マリオ・メーカー2」のライブ動画配信はまだ続いているという。
中国当局は今年4月、任天堂のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」を、「淘宝網」などから削除した。香港民主化活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏が同月、ゲームの中で「島」を作り、「香港を解放せよ。今こそ革命だ」との文字を付けた後、この様子を写真でツイッターに投稿したことが原因とみられる。
(翻訳編集・張哲)