アメリカの学校には、日本の学校にはない変わったイベントがたくさんあります。パジャマを着るパジャマ・デー、おかしな髪型をするクレイジー・ヘア・デー、本の登場人物になりきるキャラクター・デーなど挙げたらきりがありません。今回はそんなイベントの1つ、友達と双子のようにお揃いの格好をするツイン・デーに起きた心温まるお話を紹介させていただきます。
ブリトニー・タンカズリーさんの5歳になる息子マイルス君は、ツイン・デーの直前に、クラスの男の子と双子にならなくちゃいけないからお揃いの洋服がいると言い出しました。
なんでこんな直前に…ブリトニーさんは乗り気ではありません。
けれどもマイルス君は、2人がどんなに似ているかをブリトニーさんに説明し続けました。
「マイルスは、2人がどれだけそっくりか言い出すと止まらなかったの」とブリトニーさんはTODAYの取材に応えています。
「『僕たち2人とも目が茶色いでしょ、髪の毛の色も濃いでしょ…』ってもう、頑固なくらい言い張ってたわ」
ブリトニーさんはしぶしぶ洋服を買うことに同意し、ウォールマートでどうにかお揃いのボタンダウンシャツを見つけました。
しかしブリトニーさん、双子の相手が誰なのか、その母親はどんな人なのか、何もわからないままでした。そこで学校の先生に写真を撮って送って欲しいとお願いして、どれだけそっくりな相手なのか見てみることに。「きっと茶色い髪の白人の男の子なんだろうな、なんて考えてたわ。でもまったく違ったの」とブリトニーさん。
お揃いの洋服を着て写真に写っていたマイルス君の双子の相手は、アフリカ系アメリカ人の男の子だったのです。
ブリトニーさんは、肌の色にとらわれない物の見方をするたった5歳の自分の息子に心から感動しました。そしてこの双子の「世界一スイートな写真」をSNSに投稿、「私たちもこの5歳児のような物の見方をすれば、世の中はもっと良い場所になるんじゃないかしら」というコメントを添えました。
するとこの写真はあっという間に拡散され、50万以上のいいねが付き、シェア回数も25万回に達しました。ブリトニーさんはこの投稿がアメリカのみならず全世界に広がったことを知り、驚きと喜びを隠せません。「この投稿の目的は注目を集めることなんかじゃないの。拡散されることより、この写真が伝えるメッセージの方がずっと大切」とブリトニーさん。
SNSには数多くのコメントが寄せられ、「シャツに『Future Leaders(将来のリーダー)』って刺繍されてるのが最高。もう既にリーダーに見える!」など、2人の感動的な友情を称賛する声であふれました。
肌の色に左右されない行動を示したマイルス君。実は発話の遅れがあり、聴覚保護器具である人工内耳を付けています。マイルス君には、そんな彼を「双子」として受け入れてくれる友達ができました。「(ツイン・デーには)正直あまり似てないドレスアップをする子どもも多いけど、この2人は最高だったわ」とブリトニーさんは話しています。
ブリトニーさんは相手の男の子のお母さん、ラカンドラ・ワッツさんに連絡を取りました。すると驚いたことに、お互い目と鼻の先に住んでいることがわかりました。この双子、いえ、大親友は、いつでも一緒に遊ぶことができるのです。
ブリトニーさんはライアン君に本当に大切なことを教えられたと話しています。
「私の考えは間違えてたわ。だって、まったく違う写真を予測してたんだから」
肌の色や障害の有無に何のこだわりも見せない子どもたち。
あるフェイスブックユーザーのコメントが全てを語っています。
「子どもは相手の心を見るの。肌の色なんかで決めつけるよう教えられてない限りね」
子どもは親の鏡です。立派な「将来のリーダー」を育てるためにも、私たちがまず、こだわりを捨てた行動を取らないといけないのかもしれません。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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