中国青少年失踪と臓器収奪の実態 官僚二世が語る監視社会の闇

2025/07/07 更新: 2025/07/07

中国共産党官僚の二世Eric MY氏が、大紀元のインタビューで、中国の青少年失踪事件や政府主導の臓器収奪、徹底した監視社会の実態について証言した。その闇と現実を明かす。

Eric氏は中国の江蘇省の県級市に生まれで「官僚二世」として中国共産党(中共)体制内で働く道を用意された。しかし、政権の道具として使われる現実に耐えきれず、その座を離れた。彼は大紀元の取材に応じ、自身が見聞きした地方政治の実態と、青少年失踪事件の背後にある真相を明かした。

ビッグデータ監視下で 皆が透明人間

Eric氏によれば、中共の公安局の捜査センターには20〜30枚のスクリーンを組み合わせたビッグデータ分析用の大画面が設置されている。その一部はリアルタイム監視に用いられ、他は高感度なデータベース分析を担っている。社会のあらゆる携帯番号を監視対象とし、たとえばWeChatで政治的話題を語れば、その番号を赤色表示し、即座に重点監視リストに登録する。政治に言及すれば、即日で警察を現場に派遣する。

Eric氏はこう語った。「当時はAndroidスマホに盤古雲石と呼ばれる小型装置を接続すれば、パスワードなしで内部データをすべて閲覧できた。プラグインを追加すれば、画面上の操作も監視可能だった。iPhoneだけは解除が必要だったが、今ではそれも不要になっている。監視の容易さゆえ、当局はHuaweiのスマホ使用を奨励していた」

反詐欺センターも同様の仕組みを導入しており、反詐欺APPをインストールすれば、スマホ内の全情報が当局の手中に収まる。写真、連絡先、SMSなど、すべて丸見えになる。iPhoneもソフトを入れれば監視可能になる。

反詐欺APPが普及する前、当局は日常チャット履歴を調べたが、抖音(TikTok中国版)のような深層データには正式な照会手続きを経て本社で確認する必要があったという。

「中国では、誰もが透明人間として扱われている。すべての動き、すべてのネット履歴が当局の監視下に置かれ、プライバシーは存在しない」

「当時からも顔認証だけでなく、歩行認識や四肢の動きも識別していた。顎骨や手足の動きまで記録し、マスクやヘルメットを着けていても歩くだけで個人を特定できた。右足を先に出すか、左手を上げるかまでがデータとして蓄積されていた」

大紀元はこれまでも、中共が巨額を投じて「雪亮工程」やスマートガバナンス・プラットフォームを構築し、監視と統制を社会の末端まで拡大している事実を報じてきた。

多数の子供が失踪 政府が主導する臓器収奪

『中国行方不明口白皮書(2020)』によれば、2020年の中国における失踪者数は100万人に上る。中国広播網の2013年の報道では、毎年約20万人の子供が行方不明となり、発見に至るのはわずか0.1%にとどまる。

監視カメラ網「天眼システム」を全国に張り巡らせた中国で、なぜ子供たちが見つからないのか。Eric氏は、その理由を語った。

当時、私は失踪児童の案件を何件も扱った。だが、子供の捜索ではなく、親の行動を抑える対応が中心だった。派出所に届け出があっても、受理されないことが多く、受理されても成果は上がらない。親が陳情や抗議に出れば、捜査センターに連行される。

本来の手順であれば、子供が行方不明になったら、法務部門に報告し、ビッグデータで調べれば即座に行方が分かる。全国のカメラが対象を自動追跡し、たとえ数百万台のカメラでも、数秒で特定できる。

子供でも大人でも、彼の写真または名前のいずれかがあれば、天眼システムが自動的にその人の位置を特定し、全国のすべてのカメラが監視を行う。わずか5秒でその人を見つけることが可能だ。それは本当の事だ。

「それでも調べないのは、臓器を収奪したからである。それは本当の事だ。私たちは善意で『調べましょうか』と上司に確認するが、必ず却下される。法務部門も認めない。調べれば、責任がこちらに及ぶからだ」

Eric氏は、臓器収奪の主体が政府であり、政府が主導しているため、上層部が調査を許可しないと述べている。もし許可してくれば、絶対に見つける、たとえその人が灰になったとしても、彼が灰になった場所を特定することはできるはずだ。見つけられないはずがない。年齢が少し高い場合、例えば30代や40代で精神的な問題を抱えて行方不明になった場合は捜査が許される。しかし、子供の行方は追跡を禁止している。理由は明白である。青少年の臓器は最も健康的なため、最も価値があるからだ。

「誰もが本当は分かっているはずだ。あれほどの監視網があって、見つけられないわけがない」

Eric氏の地元では、臓器移植は珍しくなくなった。金か権力がなければ移植は叶わないが、三甲病院でも当日中の移植が可能である。10年前は申請と順番待ちが必要だったが、今では午前中に申し込めば午後には新鮮な臓器を得られるという。

また、彼は医療トラブルの案件も担当していた。「病院が患者を死なせた日は、臓器需要が重なっていた可能性が高い。遺族が騒げば、捜査センターに連れてこられたが、上層部から『この件は調べるな、強制的に抑えろ』との指示が来る。本来であれば、正常に調査を行うべきなのに、なぜ調査を行わないのか? それは調査が必要ないからであり、つまりその事実を黙認しているということだ」

真実を伝え続ける責任

近年、中国本土では失踪する子供が増加し、国民の間で臓器収奪への疑念が広がっている。だが、中共は情報統制によってその疑念の拡散を防いでいる。かつては失踪者の写真やチラシを車に貼る行為が許されていたが、今ではそれすら禁じられている。

Eric氏は次のように語った。

「共産党にとって、個人の命など取るに足らない。常に政権の安定が最優先である。私たちの世代が変化を目撃できなければ、この先も変革は起きない。歴史教育もイデオロギー統制も厳しくなっており、文化大革命や天安門事件の記憶は消されつつある」

「だからこそ、真実を語り続けなければならない。中国が少なくとも普通の社会にはなるべきだ。生命の権利を最低限保障する体制が必要である。臓器収奪のような非道は、今すぐ止めなければならない」

関連特集: 中国政治