中国共産党が自ら「投降者」の存在暴露 CIAのスパイ勧誘動画が奏功?

2026/03/11 更新: 2026/03/11

最近、中国共産党(中共)国家安全部は、元内部関係者が外国への亡命を試みたとする事件を公表した。分析家は、この事案は中共の政治的必要性に応じて加工された可能性があると見ている。しかし、これは逆に、中共内部の多くの者が暴政への反抗心を抱いていることを裏付けるものであり、米中央情報局(CIA)が最近行っている「中国当局者へのスパイ勧誘工作」への呼応とも言える。

事件の概要:元職員による「自発的」な接触

中共国家安全部は3月10日、公式WeChatアカウントにて、最近「重要ポストの離職者が自ら国外の諜報機関に接触を試みた事件」を摘発したと発表した。

発表によると、李某は大学で臨床医学を専攻し、卒業後はある療養施設に入職した。主な業務は引退した古参幹部の医療・保健管理であり、現役時代に機密業務に従事していた元高官らと接触できる立場にあった。

同記事は、李某が「正しい価値観を持たず」「違法な情報を拡散した」として拘束・免職された経緯を説明。李某はこれを「逆恨み」し、頻繁に「壁(グレート・ファイアウォール)」を超えて国外サイトを閲覧して「刺激を求め」、海外移住を望むようになったという。その後、李某はある国の医師免許を取得し、その国の永住ビザを得た。

出国直前の拘束

記事によれば、李某は在職中にダウンロード・保存していた大量の機密・機密性の高い資料を整理し、出国前に当局を「攻撃・中傷」するためのいわゆる「虚偽情報」を準備した。その後、試験のために当該国へ向かう直前、現地の法律事務所や財団に連絡を取り、その国の諜報機関との仲介を依頼したとされる。しかし、李某は出国直前に拘束された。

なお、国家安全部の記事では、この「ある国」がどこであるかは明かされていない。

専門家の分析:政治的加工と「正義」の抹消

中国問題の専門家である李林一氏は、この事件の筋書きは、中共が自らの政治的な思惑に合わせて、意図的に作り変えられたものだと指摘している。例えば、当事者が自由を求め、中共の極権主義に反抗しようとした理念には一切触れず、あくまで「個人的な恨み」や「刺激の追求」、あるいは「永住権獲得のため」といった私利私欲によるものとして描いている。また、提供しようとした内部の実情を「虚偽情報」と決めつけることで、当事者の行為が持つ正義性を否定しようとしている。

台湾国防研究院の謝沛学副研究員は以前、大紀元の取材に対し、「中国国家安全部は近年、かつての秘密主義を脱して積極的に表立った活動を始めており、反スパイの警告を頻繁に発するようになった。しかし、そこで紹介される事例の詳細は、作り話(捏造)が多い」と述べている。

CIAの工作と中共内部の動揺

米国の時事評論家・鄭浩昌氏は大紀元に対し、「中共がこの事件を公表したのは恐怖を煽るためだが、少なくとも中共内部に自ら国外諜報機関に投降しようとする者が存在し、暴政打倒のために力を尽くそうとする者が少なくないことを示している」と語った。これは、CIAが昨年から行っている中共当局者へのスパイ勧誘工作が、一定の成果を上げていることを裏付けている。ただし、当事者が拘束された事実から、中国国内で反共活動を行う者は安全な通信にさらに注意を払う必要がある。

CIAは対中共工作に多額の投資を行い、中国本土での諜報ネットワークを再構築している。昨年5月、今年1月、2月には、中共の官僚や軍人を標的にした計4本の調略動画を公開。これらはネット上で大きな注目を集め、累計再生回数は1億1千万回を超えている。

情報筋によると、CIAの行動は、中共政権関係者や新たな情報筋の獲得、およびその他の貴重なリソースの収集において大きな成功を収めているという。

劉明湘
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