「私は答えない」習の問いを拒絶したトランプ その足で高市と結んだ「鉄壁」の真意

2026/05/17 更新: 2026/05/17

トランプ大統領は5月15日、北京で中国共産党党首・習近平との2日間にわたる会談を終えた数時間後、日本の高市早苗首相との電話会談で日米同盟を再確認した。

トランプ氏は大統領専用機(エアフォースワン)の機内からこの電話に加わった。日本の外務省によると、会談は東京時間の午後7時30分に始まり、約15分間続いた。

外務省は、トランプ氏が高市氏に対して訪中の詳細な説明を行い、両首脳が経済安全保障を含む中国関連の経済・安全保障上の課題や、インド太平洋地域の情勢について意見を交わしたと発表した。

高市氏は記者団に対し、トランプ氏と「揺るぎない」二国間同盟を再確認し、インド太平洋地域の課題について緊密な意思疎通を維持することで一致したと述べた。また、トランプ氏からの訪中に関する説明は、会談の内容を非公開にすることを条件に行われたと明かした。

両首脳はイランについても協議した。外務省によると、高市氏は事態の沈静化を早期に実現すべきだという日本の立場を改めて表明し、両首脳はこの問題に関して日米間の意思疎通を継続することを確認した。

さらに外務省は、トランプ氏と高市氏が「揺るぎない」日米同盟を再確認し、来月開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)の機会を含め、引き続き緊密に連携していくことで一致したと発表した。

高市氏は、電話会談の中で台湾について協議されたかどうかという記者からの質問には答えなかった。

高市氏のこの対応は、トランプ氏がエアフォースワンの機内で記者団に対し、習氏と台湾への武器売却について協議したものの、確約はしておらず、この問題については近く決定を下すと別途語った中で示された。

焦点であり続ける台湾への武器売却

トランプ氏はエアフォースワンの機内で、自身と習が「台湾について多くのことを話した」としながらも、この問題を巡る対立があるとは考えていないと述べた。トランプ氏によると、習は中国が攻撃した場合に米国が台湾を防衛するかどうかを直接尋ねたが、トランプ氏は回答を拒否し、「私は『そのことについては話さない』と言った」という。

北京への出発前、トランプ氏は習と台湾への武器売却について協議する意向を示していた。

5月11日、ホワイトハウスで米国の台湾防衛支援について問われたトランプ氏は記者団に対し、「習主席とその件について協議するつもりだ」と述べていた。また、習は米国が武器売却を進めないことを「望んでいる」とも付け加えた。

国防安全保障協力局(DSCA)の公式通知および両国政府の声明によると、トランプ政権は2025年12月、国務省とDSCAを通じて、総額約111億ドルに上る台湾向けの武器一括売却計画を連邦議会に通知している。

米国は依然として台湾にとって最も重要な国際的支援者であり、ワシントンと台北との間に正式な外交関係はないものの、法律(台湾関係法)によって台湾の防衛を支援する義務を負っている。

2022年8月17日、花蓮空軍基地で行われた訓練中、武装したF-16V戦闘機の前に立つ台湾空軍兵士たち。機体にはアメリカ製のハープーンAGM-84対艦ミサイル2発が搭載されている(Sam Yeh/AFP via Getty Images)

これとは別に、約140億ドル規模に上る潜在的な武器売却計画を巡り、ワシントンでは超党派の圧力が強まっている。

5月11日、ジーン・シャヒーン上院議員(民主党、ニューハンプシャー州)とトム・ティリス上院議員(共和党、ノースカロライナ州)は、クリス・クーンズ(民主党、デラウェア州)、ジョン・カーティス(共和党、ユタ州)、タミー・ダックワース(民主党、イリノイ州)、ジャッキー・ローゼン(民主党、ネバダ州)、アンディ・キム(民主党、ニュージャージー州)、エリサ・スロットキン(民主党、ミシガン州)の各上院議員とともに、トランプ氏に対し、習との首脳会談の前にこの売却計画を議会へ正式に通知するよう促した。

上院議員らは大統領への書簡の中で、ドローン(無人機)迎撃システム、統合戦闘指揮システム、中距離弾薬などを含むこの売却案は、2025年1月に議会によって事前承認済みであると指摘した。そしてトランプ氏に対し、米国の台湾支援は「交渉の対象ではない」ということを北京側に明確に示すよう求めた。

米国は台湾政策の不変を表明、台北は安心感を歓迎

台湾政府はトランプ・習首脳会談に対し、米国の長年にわたる台湾政策は変わっていないとする米側の声明を挙げて反応した。

台湾外交部(外務省に相当)によると、ルビオ国務長官は5月14日、北京でトランプ・習サミットについて行われたインタビューの中で、米国の対台湾政策は不変であると強調した。

外交部によると、同長官はまた、トランプ政権が台湾への武器売却を継続しており、強制や武力による現状変更に反対している旨を述べたという。

台湾の林佳龍外交部長(外相)は、米国が台湾海峡の平和と安定への支持を繰り返し明確にし、米国の対台湾政策の一貫性を改めて表明したことに対して謝意を示した。

外交部によると、林氏は、台湾が今後も自主防衛能力を強化し、米国やその他の民主主義パートナーと協力して、台湾海峡および地域全体の平和、安定、繁栄を守っていくと述べた。

日本の戦略的地位

日本にとって台湾は、自国の安全保障論議や、西太平洋における米軍の軍事態勢と密接に結びついている。

在日米軍のデータによると、日本は約6万人の米軍兵士に加え、約3万5千人の扶養家族、7千人の文官および契約組織の従業員を受け入れている。

日本はインド太平洋地域におけるワシントンの中心的な前方展開拠点として機能しており、沖縄などの主要基地は、地域で不測の事態(有事)が発生した際に極めて重要な役割を果たすことになる。

高市氏は地域の安全保障問題に対して強硬な姿勢をとってきた。

2025年11月、高市氏は国会答弁で、中国による台湾への軍事行動は、日本の安全保障法制における「存立危機事態」に該当し得るとの認識を示した。北京側はこれに猛反発し、中国外交部の報道官は、高市氏が中国の内政に干渉し、レッドライン(越えてはならない一線)を越えたと非難した。

トランプ氏と高市氏の電話会談は、北京での首脳会談後、同盟国に対する安心供与(reassurance)が目に見える形で示された最初の機会となった。日本の外務省は、両首脳が来月フランスで開催されるG7サミットの機会を含め、今後も緊密な連携を維持していくことで一致したと発表している。

歴史と国家安全保障の修士号を持つ退役軍人である。エポックタイムズに意見記事を執筆。
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