政府、韓国・中国・台湾産の熱延鋼帯・鋼板に対する不当廉売関税の調査開始

2026/06/02 更新: 2026/06/02

経済産業省と財務省は2026年6月1日、大韓民国、中華人民共和国(香港およびマカオを除く)、台湾(澎湖諸島、金門および馬祖から成る独立の関税地域)から輸入される熱延鋼帯および鋼板について、不当廉売(アンチ・ダンピング)関税の課税に関する合同調査を開始したと発表した。

調査開始の背景

今回の調査は、国内鉄鋼大手である日本製鉄株式会社、JFEスチール株式会社、株式会社神戸製鋼所、株式会社中山製鋼所の4社が、2026年2月27日に財務大臣宛てに行った課税申請を受けたものである。両省が関係法令に基づいて検討を行った結果、不当廉売関税の課税の要否について調査の必要があると認められた。対象となる熱延鋼帯および鋼板は、自動車、電機、建材、鋼管など幅広い産業で利用されている重要な基礎資材である。

不当廉売の疑いと国内産業への被害

申請書によると、韓国、中国、台湾からの輸出価格は正常価格を下回って不当に安く販売されており、その不当廉売差額率は韓国産および台湾産で3%〜20%、中国産で20%〜40%に上るとされている。

さらに、これら3カ国・地域からの輸入量は、2021年度の約122.5万トンから、2024年10月〜2025年9月の間には約143万トンへと増加しており、国内需要における輸入シェアも上昇している。こうした安価な輸入品が流入したことで、国内メーカーは顧客から値下げを要求されたり、コスト上昇分を反映した値上げを拒否されたりするなどの影響を受けている。その結果、国内産業の売上高営業利益率は低い水準にとどまっており、実質的な損害が生じていると申請者らは主張している。

今後の見通し

課税に関する調査は原則として1年以内(最大18か月以内)に終了することが定められている。政府は今後、利害関係者から証拠提出の機会を設けるとともに、対象となる国・地域の企業や国内企業に対する実態調査を実施し、客観的な証拠を収集する方針である。

最終的には、これらの調査結果をもとにWTO協定および関連する国内法令に照らし合わせ、不当廉売の事実や国内産業への実質的な損害の有無を認定したうえで、政府として不当廉売関税を課すかどうかの判断を下すこととなる。今後の調査の行方と、国内鉄鋼産業への影響が注目される。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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