日・フィリピン首脳会談 「包括的・戦略的パートナーシップ」に関係格上げ

2026/05/29 更新: 2026/05/29

令和8年5月28日、高市早苗内閣総理大臣は、迎賓館赤坂離宮にて、国賓として訪日中のフィリピン共和国のフェルディナンド・ロムアルデス・マルコス・ジュニア大統領と首脳会談を行った。両首脳は国会における歓迎会に出席した後、約60分間にわたる会談に臨み、その後、文書署名式、共同記者発表、さらに総理主催の夕食会を開催した。また、両国は協力関係の未来を示す共同声明「未来を共に織りなす:平和、繁栄、可能性」を発出した。

日・フィリピン国交正常化70周年という記念すべき年に行われた今回の会談において、最大の成果は、両国関係をフィリピンにとって初となる「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致したことである。高市総理は、海を挟んだ隣国であり、基本的価値や原則を共有する緊密な同志国であるフィリピンとの連携は、進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現にとって極めて重要であると強調した。

安全保障・防衛協力分野では、秘密軍事情報保護協定の交渉を正式に開始することで一致した。また、「あぶくま」型護衛艦やTC-90練習機などの移転に向けた防衛当局間のやり取りを加速させることや、政府安全保障能力強化支援(OSA)を通じた協力の継続、次回の外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の早期開催を確認した。さらに、海洋の安全と法の支配を維持する観点から、フィリピン沿岸警備隊に対する能力向上支援を継続することが高市総理から表明された。

経済・開発協力の面では、日・フィリピン経済連携協定(EPA)や日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定のアップグレードに向けた検討を進めることや、フィリピンのCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加入プロセス早期開始を日本が支持することが確認された。また、エネルギー情勢の不確実性が高まる中、「パワー・アジア」の下で、医療品等のサプライチェーン強靱化や、フィリピンの国家備蓄およびASEAN共同備蓄実現に向けた支援強化が打ち出された。

両首脳立ち会いのもと行われた文書署名式では、日・フィリピン新租税条約の署名が行われたほか、人材育成、農業、AI、宇宙、備蓄など多岐にわたる分野の協力覚書等に合意・署名がなされた。

地域・国際情勢については、中国共産党を念頭に置いた東シナ海および南シナ海における一方的な現状変更の試みに強く反対することを再確認したほか、中東情勢や北朝鮮の核・ミサイル問題への懸念を共有した。さらに、国連安保理の非常任理事国選挙において、日本がフィリピンを支持することが共同声明に盛り込まれた。

首脳会談後の共同記者発表で高市総理は、「70周年を機に、マルコス大統領と共に二国間の連携を更に発展してまいります」と力強く述べた。一連の行事は総理主催の夕食会をもって締めくくられ、両国間の強固な絆と今後の更なる発展を強く印象付ける一日となった。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。
関連特集: 外交