トランプ氏が対中包囲戦略を展開 中共はソ連の後を追う可能性

2026/03/04 更新: 2026/03/04

今年に入り、アメリカは大きな動きを相次いで見せている。1月にはベネズエラのマドゥロ前大統領を拘束し、2月にはイランへの攻撃を実施して最高指導者ハメネイ師を殺害したほか、パナマ運河の港湾運営権問題にも介入した。複数の専門家は、トランプ大統領が大きな布石を打っていると見ている。中国共産党(中共)を封じ込めて最終的にソ連と同様の道を歩ませることにあるとの見方だ。

アメリカの歴史学者で政治評論家のヴィクター・デービス・ハンソン氏は、自身のYouTubeチャンネルで、トランプ氏の一連の行動は一見すると「気まぐれで無秩序」に見えるが、実際には中共の影響力を弱め、中露の間にくさびを打ち込み、ロシアに中共との同盟の長期的リスクを見直させる狙いがあると指摘した。

ハンソン氏はまた、アメリカが軍事戦略の重点を「終わりのない海外治安維持戦」から、大国間競争に向けた抑止力の再構築へと転換していると述べた。

台湾国防安全研究院のサイバーセキュリティ専門家、謝沛学氏もこの見解に賛同する。大紀元の取材に対し、「米中が直接衝突すればコストは膨大になる。しかし間接的な締め付けであればコストは極めて低い。これこそがトランプ戦略の最も賢いところだ」と語った。

謝氏は、もし中共と直接軍事衝突すれば核戦争のリスクや経済的混乱、さらには国内の反発を招くと指摘する。一方、「中共の同盟国を一つずつ排除する」方法であれば、コストを抑えつつ世論面でも有利に進めやすく、中共側も対抗しにくいという。

さらに、中露を離間させることがこの戦略の最も重要な一手だと述べた。成功すれば、中共は北方および北西方向の戦略的緩衝地帯を失い、エネルギーや軍事技術の供給源も断たれる。また、中露連携でドル体制に対抗する構想も崩れ、国連における外交的な後ろ盾も弱まる可能性がある。

謝氏は歴史を引き合いに出し、1972年当時、ニクソン大統領が訪中した際、「くさび戦略」によって中共をソ連陣営から引き離したと説明した。その一方で、現在トランプ氏は「その脚本を逆に使い、ロシアを中共陣営から引き離そうとしている」と分析した。

トランプ氏の戦略について、中国問題の専門家ゴードン・チャン氏は3月1日、「米国思想リーダー」の番組で、習近平が毛沢東の「農村から都市を包囲する」戦略を模倣し、ウクライナや北アフリカ、イスラエルなどを「農村」に見立ててアメリカという「都市」を包囲しようとしていると指摘した。しかし現在はトランプ氏が逆に、ベネズエラやイランなどの「農村」を利用して中共という「都市」を包囲していると指摘した。

チャン氏は、習近平はトランプ氏の狙いを明確に理解しているが、なす術がないと述べた。

また、台湾国防安全研究院国家安全保障専門家、沈明室氏は、トランプ政権が公表した「国家安全保障戦略」を見れば、その主要な標的が中共であることは明白だと述べた。ただし「中国と直接対峙するのではなく、まず中国を支援する国や中国と関係の深い勢力を一掃する」という戦略を取っており、西半球、中東、インド太平洋へと一貫した手順で進めていると分析した。

沈氏はさらに、1980年代にレーガン政権が宇宙開発計画を推進して軍拡競争を引き起こし、それが最終的にソ連を経済破綻に追い込んだ歴史を例に挙げた。もし中共がアメリカとの軍拡競争に踏み切り、空母や先進ミサイルなど各種兵器の開発を大幅に注力すれば、経済がその重圧に耐えられず、ソ連の二の舞を演じる可能性がある。最終的には体制崩壊につながるという。

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