中国AI企業が米軍の中東動向をリアルタイム配信 中共軍関与に疑念

2026/03/11 更新: 2026/03/11

アメリカとイスラエルによるイラン空襲を受け、中露両国によるイラン極権体制への水面下での支援に注目が集まっている。海外メディアは、ある杭州の企業がSNS上で米軍基地や軍事装備の衛星画像を更新し続けていることに注目しており、同社は中国共産党(中共)軍と協力関係にあると指摘されている。

この企業は「覓熵(ミーシャン、MizarVision)」と名乗り、オープンソースの地理空間インテリジェンス(OSINT)を専門とする民間テクノロジー企業を自称している。

ここ数日の海外メディアの報道によれば、 同社はこの一週間、米軍の中東におけるミサイル基地の画像や海軍艦艇の動向、作戦機・支援機の位置など、米軍の軍事活動に関する衛星写真をSNS上で次々と公開している。

これらの写真には、イスラエルのオブダ空軍基地に駐機するロッキード・マーティン製F-22ステルス戦闘機や、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に配備された主要プラットフォーム(7機のボーイングE-3早期警戒管制機(AWACS)や2機のボンバルディアE-11通信機など)が含まれている。

アメリカとイスラエルがイランへの空襲を開始する前日の2月27日、覓熵は次のような情報を発信した。「衛星画像は、米軍がボーイングC-17輸送機を使用してオブダ空軍基地へ物資を輸送し続けていることを示している。同時期、7機のF-22戦闘機が駐機場にあり、別の4機のF-22が滑走路上に確認された」。

また同社は、2隻の米空母が中東へ向かう過程を特定・追跡し、海上での写真を公開した。

さらに、画像と飛行追跡ソフトウェアを利用して、米海軍のボーイングP-8A哨戒機がバーレーン空軍基地からアラビア海の一角へ飛行する様子を追跡し、この機体が空母「エイブラハム・リンカーン」を護衛していると断定した。

3月1日になると、公開範囲はヨルダン、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)国内の基地の詳細な画像にまで拡大した。AIによるラベリングを用いて、具体的な機体モデルや防空配置、部隊の集結状況を識別しており、ある投稿では同地域における約2500もの米軍事資産を記録していた。

海外メディアの報道は、これらの情報がすべてネット上で公開されており、イラン軍がいつでもアクセス可能であると指摘している。こうした手法は「公開情報(オープンソース)」と「機密インテリジェンス」の境界を曖昧にするものであり、その戦略的な影響は、今回のアメリカとイランの紛争という局地的な枠組みにとどまらない広がりを見せている。

同社がXに参入したのは1月のことであり、ワシントンが中東での軍事配備を強化していた2月24日に最初の投稿を行っている。

報道によれば、同社は、中国の「吉林一号」衛星ネットワークのデータと西側の商用衛星データを統合し、独自のAIモデルで処理することで標的の自動識別を実現している。これに軍事レベルの詳細な識別情報を付け加え、生の画像を「即座に作戦に利用できるインテリジェンス(情報)」へと加工した上で公開している。

また、同社は名目的には「民間スタートアップ企業」であるが、中共軍との間に明確なデータ共有合意が存在しているとも報じられている。

陳鎮錦
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