7月、米ルイジアナ州ニューオリンズの路上に掲げられた表示は、マスク着用を促している(Sean Gardner/Getty Images)
掛谷英紀コラム

新型コロナの政治と科学 科学音痴の共和党と似非科学の民主党

前回のコラムで新型コロナウイルスの科学を取り上げたが、今回はこれに関連して新型コロナ対策における政治と科学の関係について考えてみたい。

日本では、経済再開に慎重な医師たちと、自粛に猛烈に反対する経済界の人々との対立が強まっている。ただ、その対立に必ずしも党派性があるわけではない。与党自民党が医師会と産業界の両方を支持母体にしているため、玉虫色の対応にならざるを得ないのかもしれない。一方、米国の場合、新型コロナへの対応の党派性はよりはっきりしている。共和党は経済再開積極派で、民主党は慎重派である。

共和党を支持する米国の保守派が自粛に反対する最大の理由は、国家による強制への反感である。米国の保守派は基本的に小さな政府論者である。政府に対しての不信が彼らの思想の根底にある。そのため、ロックダウンで国民の自由を奪うことに味をしめた政府が、これを契機に強い規制を常態化することを恐れている。また、彼らは米国の文化に合わないことの強制にも著しい拒否感を示す。当初、マスク着用に否定的だったのも、それが大きい。

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1月5日の米国ジョージア州上院議員決選投票で、民主党が2議席とも確保し、上院で民主党が過半数(議長の副大統領票を含む)を確保した。1月6日にはジョー・バイデンが正式に次期大統領として議会に承認された。これで、大統領は民主党、議会も上院、下院ともに民主党が過半数というトリプルブルーの状態が確定した。日本にとっては悪夢である。
前回のコラム『今必要なのは「中国から国民を守る党」』で述べた通り、バイデン政権の誕生が確実になり、日本の親中派は勢いづいている。12月14日に全日空が成田ー深圳路線を再開したのに続き、12月18日に国土交通省は、12月21日から中国・韓国便の到着を新千歳空港にも認める通知をした。
日本では早速、バイデン当確による悪影響が出始めている。米国の対中強硬政策が緩和されることを見越して、日本の親中派が勢いづいている。中国を含む自由貿易協定RCEPへの加入や中国とのビジネスを目的とした往来の再開がそれを象徴している。今年の春節に来日した中国人旅行者に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を持ち込まれて、今も感染者が再度急増している中、往来を再開するとは非常識極まりない。そもそも、中国におけるウイルスの発生源は現時点でも全く分かっていない。今、何よりも中国に求めるべきは、国際的
米国大統領選の決着がもつれている。誰が大統領になるかはまだ分からないが、一つだけはっきりしたことがある。バイデンが圧勝すると予想していた大手メディアはみな大ウソつきだったことだ。しかし、相変わらず彼らに反省の気配はない。彼らは我々と違い、己の不明を恥じるという思考回路が脳から欠落していると解釈するしかないだろう。
新型コロナウイルスのパンデミックで社会のリセットが起きている今、ポストコロナの時代に日本の大学がポリコレ難民を受け入れるという構想を検討するよい機会である。