9月28日、連邦最高裁判所の隣に位置する合同メソジストビルに、連邦最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏の死を悼むメッセージが掲載されている(Getty Images)
掛谷英紀コラム

他者への敬意があれば左翼の異常さに気づける

米国の保守派動画チャンネル「PragerU(プレガー大学)」は毎週金曜日、『ファイアサイド・チャット』を放送する。その名の通り暖炉の傍で、トークショーのホストであるデニス・プレガーが一人で語る番組である。 9月25日公開の動画は珍しくゲストを迎えての対談だった。相手は一時期トランプ政権の報道官を務めていたサラ・ハッカビー・サンダースである。彼女が報道官時代、マスコミから執拗な嫌がらせを受けていたことを記憶している人も少なくないだろう。その陰湿さは「卑しい」と形容するに相応しいものだった。

対談の中で、プレガー氏が普段よく受ける質問として、「卑しい人が左翼になるのか、それとも左翼になると卑しくなるのか」という問いを紹介した。これに対しては、サンダース氏は「わからない。両方かもしれないわね」と答えていた。

実は、私もこれと同じ疑問を持ったことがあった。確かに両方ありそうだが、性加害癖のある人が、その卑劣な行動に対する糾弾を避けるために左翼になっていると思われるケースは少なくない。現役事務次官時代に天下りを斡旋し、出会いバーに頻繁に出入りしていた前川喜平氏、現役知事時代に女子大生を買春していた米山隆一氏、米国で女性に暴行し、逮捕状が出ている状態のまま日本に逃亡してきた菅野完氏などは、常識で考えれば論壇で堂々と発言する機会が与られるに相応しい人たちではない。しかし、今の日本の言論界には、「愛国無罪」ならぬ「左翼無罪」の原則がまかり通っている。左翼的発言をしていれば、過去の卑しい行動が不問にされるというのは、脛にキズを負う人にとっては魅力的に映るのだろう。

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