英豪、2022北京冬季五輪の「ボイコット」示唆、中国の人権迫害に抗議して
中国共産党による大規模な人権迫害に直面して、イギリスとオーストラリアは2022年の北京冬季五輪をボイコットする可能性を示した。
ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)英外相は10月6日、英議会の外交委員会に出席した際、中国による新疆ウイグル人への迫害の証拠が増えた場合、イギリスは2022年の北京冬季五輪に「不参加」する可能性を示唆した。
同委員会で、保守党議員のアリシア・カーンズ(Alicia Kearns)氏は、「イギリスの不参加は、人権を侵害する国が提供する活動プラットフォームに参加しないという『強いシグナル』を送ることになるのか」とラーブ氏に尋ねた。
ラーブ外相は「一般論としては、スポーツと外交・政治は分離しなければならないと考えるが、それが不可能な場合もある」と答え、北京五輪「不参加」の可能性を示唆した。
以前、英保守党の元リーダーであるイアン・ダンカン・スミス(Iain Duncan Smith)氏は、英国政府が国際オリンピック委員会に、中国から2020年の五輪主催権を「はく奪」するか、少なくとも「公式代表者の参加禁止」を要請すべきだと提案していた。
豪議会、北京冬季五輪からの「撤退議案」を審議する予定
複数人のオーストラリアの国会議員は、「1936年のヒトラーのナチス政権下で開催されたベルリン五輪との類似性」を理由に、同国選手に北京冬季五輪のボイコットを呼びかけている。
オーストラリア連邦上院議員のレックス・パトリック(Rex Patrick)氏、緑の党リーダー、カッシー・オコナー(Cassy O’ Connor)氏、自由党上院議員エリック・アベッツ氏、タスマニア州議員ジャッキー・ランビー(Jacqui Lambie)氏らは、いずれも北京冬季五輪のボイコットを支持している。
レックス・パトリック上院議員は、中国共産党(以下、中共)による深刻な人権侵害を前にして、「オーストラリアの北京冬季五輪への参加は無謀で道徳的にも間違っている」と述べた。
同氏はさらに、中共による言論の自由の取り締まり、反体制派や香港の民主と自由および国際メディアへの弾圧、中国系オーストラリア人作家と記者への恣意的拘束など、中共の悪行の数々に言及し、厳しく批判した。
緑の党リーダー、オコナー氏は、「オーストラリアは自国のアスリートを『大量虐殺が行われている全体主義体制の舞台』に送ることはできない」と主張した。
アベッツ上院議員は、国際オリンピック委員会が「野蛮かつ権威主義的、そして全体主義的な政権」に開催を許可した場合、同委員会の立場は大きく損なわれるだろうと警告した。
オーストラリア連邦議会は、11月から同国の北京冬季五輪撤退について審議を開始する予定だと、オーストラリア放送が独占報道した。
オーストラリア戦略政策研究所(Australian Strategic Policy Institute,ASPI)9月の最新調査によると、中国共産党政権は2017年以降、新疆で380カ所の収容所を新設したという。
6日に国連で開かれた人権会議で、イギリスやオーストラリアなど39カ国は、中国の人権問題を批判する共同声明を発表し、中国に対して100万人が収容されている新疆ウイグル自治区の収容施設に、国連人権査察団が「直接的で意味のある自由なアクセス」ができるよう求めた。
(大紀元日本ウェブ編集部)