ブラジル大統領、中国製ワクチン認めず 「国民はモルモットではない」
ブラジルのボルソナロ大統領は10月21日、中国製の中共ウイルス(新型コロナウイルス)ワクチンを購入しないことを明らかにした。
同日、ボルソナロ氏は自身のフェイスブックとツイッターで「私の政府にとって、どのワクチンも、公衆に提供するために保健省と国家衛生監督局(ANVISA)の科学的認証を受けなければならない」とし、「ブラジル国民は誰のモルモット(実験動物)にもならない」と投稿した。
サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は20日、州政府は北京拠点のシノバック・バイオテック社(科興控股生物技術、以下「シノバック」)が開発中の新型コロナウイルス向けワクチン「CoronaVac(コロナバック)」4600万回分を購入することで合意した、と明らかにしたばかり。
ドリア氏はまた、CoronaVacの臨床試験は11月中旬に終了する見込みで、ブラジルでは早ければ2021年1月から大規模なワクチン接種計画を開始すると述べていた。
今年6月11日、中国のシノバック社とサンパウロ州保健省管轄のブタンタン研究所(Butantan Institute)は、CoronaVacの第3相臨床試験を実施するための共同開発契約を締結した。この契約に基づき、ワクチンの試験と生産はサンパウロ州で開始される。
ブタンタン研究所は19日、後期臨床試験の初期結果としてCoronaVacが「安全」との見解を示したが、試験はまだ進行中で、実験がすべて終わるまで、ワクチンの有効性に関するデータは公表しないと付け加えた。トルコとインドネシアでも同様の実験が行われている。
サンパウロ州政府も同日、CoronaVacの第3相臨床試験で、ボランティア9000人のうち、35%に頭痛、接種部位の腫れなどの軽い副反応があることを明らかにした。
ブラジルでは保守派の大統領と州知事の間の緊張がワクチン対応にも延焼している。ボルソナロ大統領が英企業のワクチンの購入を勧めることに対し、ドリア・サンパウロ州知事は連邦政府を飛び越えて、中国製ワクチンの提供を受けると決めた。両氏は中共ウイルス対策をめぐり激しい対立が表面化している。
米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、ブラジルの中共ウイルス感染者数は累計で530万人に達し、米国とインドに次いで世界で3番目に多い。累計死者数は15万5千人で、米国に次いで2番目に多い。
(翻訳編集・王君宜)