ブラジル大統領、国連総会で強制接種を批判 NY屋外でピザ食べる写真を投稿 

2021/09/23 更新: 2021/09/23

欧米諸国がワクチン接種の義務化を導入している中、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領(66)は21日、ニューヨークで開催された国連総会の演説で、中共ウイルス(新型コロナウイルス、COVID‑19)に対する強制的な防疫措置に反対の意を表明した。

ボルソナロ氏は、義務化されたワクチン接種やマスク着用を拒否する決定は、最終的には正しいものになる可能性があるとした。「歴史と科学がすべての人に責任を問う」と、一部の国で行われている強制的な防疫措置を非難した。

同氏は演説で、自分は神を信じ、憲法を尊重し、家族の原則を大切にし、国民に忠実な大統領であると述べ、予防接種プログラムを支持するが、強制的な義務接種には反対であり、自分の政府はそれを実施しないと強調した。

自身が去年7月に感染した後に早期治療を受けたことから、早期治療対策を支持していると付け加えた。「なぜ多くの国やメディアが早期治療対策に反対しているのか、私には理解できない」という。

ブラジル連邦政府はすでに2億6000万回以上のワクチンを配布し、成人人口の約90%に当たる1億4000万人以上が少なくとも1回目の接種を受けている。ボルソナロ氏は演説で、今年の11月までに、希望するすべてのブラジル人が接種できるように取り組みを行っていると述べた。

夕食、ニューヨークの街角で立ち食いピザ

昨年夏に感染から回復したボルソナロ大統領は、「すでに抗体を持っており、接種する必要はない」「ブラジル人全員が接種した後に接種するかどうか決める」とメディアに語っていた。

ニューヨーク市は13日から、屋内のレストランや劇場などの利用者に対し、ワクチンを少なくとも1回打った証明書の提示を義務付けた。

ブラジルのルイス・エドゥアルド・ラモス大統領府秘書室長官は、ツイッターで「ニューヨークでの豪華なディナー」というキャプションを添え、ボルソナロ氏とブラジル代表団の閣僚が19日夜に道端でピザを食べている写真を投稿した。

 

ジルソン・マシャド・ネト観光相も、ボルソナロ氏がピザを手にしている写真をインスタグラムに投稿し、「夕食はピザとコーラだ」とコメントをつけた。

一方、国連総会に出席していたブラジルのマルセロ・ケイロガ保健相は22日、ツイッターで、自分がウイルス検査で陽性反応を示したため、米国で隔離治療を受けていると発表した。ケイロガ氏は今年の初めにワクチンを接種したと報じられている。

ニューヨーク市長「予防接種を受けないなら、来なくて良い」

ボルソナロ氏がニューヨークに到着した翌日の20日、同市のビル・デブラシオ市長は記者会見で、「ブラジルの有名なボルソナロ大統領を含む世界中の指導者たちに、ここに来たければワクチンを接種しなければならないというメッセージを送る必要がある。予防接種を受けたくない人は、わざわざ来なくてもいい」と辛辣な言葉を投げかけた。

ニューヨークで開催される国連総会に先立ち、ニューヨーク市は総会議長のアブドラ・シャヒド氏に手紙を出し、すべての参加者がワクチンを接種する必要があると強調した。

シャヒド氏は当初、この要請に同意していたが、その後ニューヨークの国連本部に入る際に接種証明書の提示を求めないと方針を変更した。

(翻訳編集・王君宜)