英議会、ファーウェイ設備導入の禁止求める法案提出 「違反者に1日1300万円の罰金」
イギリスの議会議員は11月24日、国内通信企業に対して、国家安全保障法(安保法)を遵守するよう求める法案の草案を提出した。草案は、中国軍と繋がりの強い華為技術(ファーウェイ)の設備を使用しないよう求めた。使用が発覚した場合は高額な罰金を科すと提案している。
草案では、英大手通信事業者が安保法を遵守せず、ファーウェイの機器を使用した場合、売上高の10%の罰金もしくは1日10万ポンド(約1393万円)の罰金を科すとしている。
英ジョンソン政権は7月、2027年末から第5世代通信規格(5G)ネットワークの整備にあたり、ファーウェイの機器の使用を禁止すると決めた。今回提出した新たな法案が可決すれば、英政府によるファーウェイ設備の使用禁止令が法律として成立する。英国政府はリスク管理法に基づき、違反企業に厳しい罰則を科すことができる。
中国の通信機器大手ファーウェイは、スマートフォン、ネットワーク機器、5G技術などの分野で、米国、欧州、韓国などの同業大手にとって、主要なライバルである。
ファーウェイは中国政府および中国軍と密接な関係にあり、ファーウェイのシェア拡大を利用して中国の軍や情報機関が、欧米のネットワーク施設でスパイ活動を行っていると考えられている。ファーウェイは一貫して一連の指摘を否定してきた。
英政府は、ファーウェイの5G機器の限定的な使用を認めてきた。しかし、米国の制裁措置によって英国は同社のネットワーク機器の安全性を確保できなくなった。
英政府は、国内すべての無線通信事業者に対し、2027年までにファーウェイの設備をネットワークから完全に置き換えるよう求めている。
英政府は、安保法の遵守を求める新法律は、外国政府によるサイバー破壊活動への対抗措置だとしている。英政府が言及した外国政府とは、中国、ロシア、北朝鮮、イランを指す。
デジタル・文化・メディア・スポーツ担当大臣のオリバー・ドーデン氏は英政府公式サイトで、「この画期的な立法案は、世界で最も安全な通信システムを英国で確保し、安全性を保護するためのものだ」と説明している。
英国議会は11月末にも、この法案の内容と立法について討論する予定。
(翻訳編集・佐渡道世)