【紀元曙光】2020年12月19日

言葉には本音と建前がある。同様に、ものには外見と実態の二面性がある。

▼今の中国は、すでに日本を追い抜き、米国に迫ろうとする昇り龍のごとき経済大国だ、というのが大いに虚飾された外見。月に無人ロケットを飛ばして石や砂を採取してきたらしいが、そんなものが先の短い中共に、何の役に立つというのか。

▼中国の実態は「失業者が1億人」という惨憺たるものらしい。中国の研究者が、政府発表の数値は正確でないとして調査した結果である。それが本当かというと議論の余地はあるが、政府発表よりは信用できると見てよい。

▼昔は、別の建前があった。社会主義の理想国家である中国では、仕事も医療も教育も、何でも党が与えてくれる。ゆえに「失業者はいない」という、むちゃくちゃな建前である。

▼筆者が目にしたのは30数年前の中国であるが、確かに「失業者」はいなかった。その代わり待業青年つまり「国家が職を分配してくれるのを待っている青年」が、まるで生気のない土色の顔をして、うす気味悪く群れていた。彼らは昼間から道端でビリヤードなどをして時間をつぶす。どうやって日々の飯を食っていたのか知らないが、これもまた彼の国の実態であった。

▼今も中国は失業大国である。国が亡びる主な要因は、およそいくつかに絞られる。天災、疫病、凶作などのほか、株の暴落による経済の破綻、失業者の大量発生、新卒者の就職難などだ。いずれも現政権への批判から革命へとつながる。中共政権は倒されないのが不思議なところまで来ているし、中国人は皆、その本音を腹の底にもっている。

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