強制臓器収奪に関与、米国住民が医師の親族を告発
中国共産党政権が主導する強制臓器収奪を調査する国際NGO団体、法輪功迫害追跡国際組織(WOIPFG)は昨年12月29日、4年前、中国系米国人が行った証言を公開した。リフォーム・塗装業を営む陸樹恒氏(70)は2016年、中国国内の医師である親族が、伝統気功グループ、法輪功の学習者に対する強制臓器摘出に関わったと告発した。
米中国語ラジオ放送「希望の声」は16年9月の番組で、WOIPFGの汪志遠会長を招き、法輪功学習者に対する強制臓器摘出について取り上げた。番組中、上海出身でカリフォルニア州に在住の陸樹恒氏が電話をかけてきて、中国当局の臓器狩りに関して直接告発したいと話した。
同年10月2日、陸氏は「希望の声」本部へ行き、取材に応じた。陸氏を保護するために、取材内容を4年間公開しなかった。
陸氏が告発したのは、兄の妻の姉、周清氏(64)だ。周清氏は上海市浦東医院産婦人科主任や上海市宛平医院の院長を務めたことがある。周清氏の夫、毛叔平氏は、上海市司法局副局長の職に就いたことがあり、共産党内の江沢民派の一員だ。周氏の義理の息子は上海市の情報機関、市国家安全局で勤務している。
陸氏は2002年、帰省で上海に戻り、親族との食事会で周氏らと会った。その時、毛叔平氏は、陸氏に、もし周りに臓器移植手術を受けたい米国人がいれば紹介してほしいと頼んだ。毛氏は「(臓器移植の)紹介したほうが、リフォーム業よりずっと稼げるよ」と話した。
2回目の食事会で、毛叔平氏は、妻の周清氏が武警医院(中国武装警察系列の病院)で臓器摘出手術を行っていたと陸氏に話した。これを聞いて、陸氏は周清氏に、今も手術を行っているかと尋ねた。周清氏は「今はこのような手術はしていない。手術した後、悪夢に襲われるから、もう怖くて手術できない」と言った。
陸樹恒氏の義理の姉で、周清氏の妹である周玉氏も「姉は数回手術したことがあるけど、怖いからもうやめた。メスで切開する時、あまりにも痛いので、(臓器摘出対象の)人が凄惨に叫びわめくから」と話した。
陸氏が「どうしてその人たちに麻酔薬を与えないのか」と聞いたところ、周玉氏は「臓器によって、麻酔薬を注射できない。臓器の鮮度を保つために、麻酔薬を使わない」と言った。
周玉氏は、臓器を摘出された人は皆法輪功の学習者だと「姉から直接聞いた」とした。「縛られた法輪功学習者が(手術室などに)入ってくると、最初皆『法輪大法がいい』と叫んだが、その後(切開に伴う)強い痛みで叫び声が悲鳴に変わったのだ」と生々しい現場の状況を姉の周清氏から聞いたという。
周氏姉妹によると、摘出手術の現場には、武装警察や軍医などが4、5人いる。
2006年、法輪功学習者の強制臓器収奪問題が報道されて以降、周清氏らは陸氏に口外しないよう複数回脅迫した。
WOIPFGの汪志遠会長は1月15日、陸氏の告発は、強制臓器摘出に関する直接的な証拠だと大紀元に語った。同氏は、WOIPFGは今後も、中国当局の人道に反する罪を徹底的に追及していくと改めて示した。また、同氏は「中国共産党は悪魔だ」と非難した上、「共産党政権の下で中国の一部の人々は化け物となった」と心を痛めた。
(翻訳編集・張哲)