先日のこと。久しぶりに実家(東京都内)に帰ったとき、ふと思い出して、50年前の子ども時代に通った近所の銭湯、つまりお風呂屋さんに行ってみました。
名前は伏せますが、高い煙突の「〇〇湯」。なんと、まだありました。しかも全く改装せず昔のまま。文化財的価値のあるオールドスタイルの銭湯です。重い引き戸をガラガラと開け、その文化財を見学する拝観料のつもりで470円を番台に乗せると、銭湯の親父さんが低い声で「いらっしゃい」。
ここで重要なポイントです。右側は男湯。左側は女湯。中央の番台に座った親父さんからは、脱衣所もふくめて両方が丸見えなのです。これぞ昭和ロマン。大らかで、いいじゃないですか。男湯は、数人の客が寡黙に入浴中。壁の向こうの女湯では、にぎやかな声が、湯気にくもった天井に響きわたっていました。
(慧)
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