イメージ写真(Ina Hoekstra/Pixabay)

<オピニオン>米国の記録的寒波、地球温暖化の脅威論にまた大きな打撃

2月に米国中部を襲った記録的な寒波は、「地球温暖化は人類の存続に対する脅威」だと言う政治家たちには都合が悪かった。

地球温暖化はすでに起こっていると言われている。しかし、数十年ぶりの寒さとなったノースダコタ州ビスマルクやシカゴ、ヒューストンではそのようには感じられなかった。サンアントニオでは記憶にある限り初めて雪が降った。

「環境終末論者」たちは、今回の寒波は地球の気候状況の証拠にはならないと言う。実を言うと、彼らは100%正しい。

しかし昨年の夏、カリフォルニアの山火事で何十万エーカーもの土地が燃えた時には、それは地球温暖化の証拠だとされ、それに異議を唱えた人は「(地球温暖化の)否定者」として笑い者にされた。

約10年前、オバマ大統領の科学者たちは気候変動に関するばかげた報告書を発表した。報告書は五大湖の氷面積がここ数十年で最低の水準に落ち込んだことに触れ、これは地球温暖化の証拠だとした。しかし、報告書が発表された翌年、中西部の冬は厳しい寒さとなり、氷の量は異常に多かった。今年も五大湖では極循環の影響で氷面積が高い。

おっと、繰り返しになるが、これは何の証拠にもならない。しかし環境保護論者たちが最初にこれを証拠として使ったのだ。

気候変動を信じる人たちは「科学」と「科学的合意」をよく口にする。しかし皮肉な事に、彼らは科学的推論で最もよくある欠陥の1つ、確認バイアスに陥っている。つまり、仮説を支持する出来事は証拠とし、仮説と矛盾する出来事は例外として無視する。例えば、氷が溶ける事は地球温暖化の証拠だとし、氷が増える事は冬に起こる自然現象だとする。

例えばニューヨークタイムズは、「気候科学を否定する人たちは、寒い日があるたびに気候変動なんてものは存在しないと言う」と報道している。

しかし左派も同じだ。彼らは暑い日があったり、去年の夏のような森林火災が起こるたびに、気候変動のせいだと言っている。

ニューヨークタイムズのもう一つの記事では、「米国では、より暑く乾燥した天気のために山火事の季節が長くなり、ハリケーンによる洪水や高潮などの破壊力が増している。洪水、火災、嵐などの災害は昔からあったが、気候変動によって激しさを増している」と報じた。

現在の気象現象は昔より激しくなったのだろうか?一般的には答えはノーだ。歴史的な証拠は次のことを示している。1)信頼できるデータがある50年前または100年前と比べて、激しい気象現象は増えていない。2)モンスーン、森林火災、高温、極寒の冬、ハリケーン、竜巻などの異常気象によって世界で死亡する人の割合は、少なくとも過去100年間で低下し続けており、現在は史上最低となっている。

これには多くの理由がある。一つ目は、悪天候時の警報システムが発達したことだ。二つ目は、優れた建築基準とより耐候性のある材料を使うようになったことだ。三つ目は、技術と人間のノウハウが発達し、次の災害に備えてより良い準備をしていることだ。私たちは自然の移り変わりから学び、適応している。

だから、嵐の破壊力が増し、海面上昇が絶え間なく警告されているにもかかわらず、フロリダ州やカリフォルニア州などのビーチハウスの価格は上がり続けている。

これは直感に反するようだが、紛れもない事実である。

(文・Stephen Moore/翻訳編集・大紀元日本ウェブ編集部)

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