【ほっこり池】あらしの夜に

 ある嵐の夜。山小屋に避難してきたのはヤギの「メイ」とオオカミの「ガブ」。

 まっくらで、お互いに相手が見えないなか、友情を結んだ二人(二匹?)は「あらしのよるに」を合言葉にして再会を約束します。

 オオカミはヤギを食べるもの。メイがヤギだと知ったガブは、悩み苦しみます。「僕が見てもメイは本当においしそう。だけどメイは僕の友だちだ」。メイに襲い掛かるオオカミの群れに対して、ガブはただ一匹、メイを守るため立ち向かっていくのです。

 先日の夜、春の嵐が吹きました。北の地方では暴風雪にもなりました。吹き荒れる風の夜、皆さんは、どんなことをお考えになりましたか。

 大切な人を守るため、自分を捨てて戦うなかに本当の自分の生を見出せるかどうか。コロナ禍という嵐のなかに、医療人だけでなく、私たちもいるように思います。

(慧)