大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【歌の手帳】雨空に祈る

 思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞ降る(新古今)

 詞書きに「雨の降る日、女に遣はしける」とあります。雨がしとやかに降る春の日に、作者から離れたところにいる女性を恋するあまり、その方向の空を眺めて思いを馳せたという、なんとも胸にしみる一首ですが、こんな切ない恋歌を詠んだ人は一体誰でしょう。

 藤原俊成(1114~1204)。『新古今和歌集』の中心的な選者である藤原定家のお父さんです。その俊成の家集である『長秋詠藻』によると「はるごろ、しのぶる事ある女のもとにつかはしける」と言いますので、これは実際に、人目を忍びながら恋する女性のもとへ送った歌とみて間違いないでしょう。書いたところで止めたラブレターではなく、切手を貼ってポスト投函したとは、俊成さん、なかなかやりますな。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。