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チベットの光 (19) 偽の手紙

 フェイマオタイは気功を長年修行していたので、軽功で駆けるかのように、普通の馬では追い付けなかった。彼はただ村民たちと遊ぶだけであって、村人が一生懸命に追い付こうとすると、彼は少し早く歩き、村民が遅く追いつくと、彼もゆっくりと歩いていた。村人たちが石つぶてを投げても、彼はそれより大きな石を投げ返した。しばらくして、彼は面白くなくなり、すっくと立ち上がって彼らに大声で叫んだ。

 「あなた方のうち、誰が私を殺そうとしているのか?私が即刻、呪法で呪い殺してやるぞ!今年の収穫が全部駄目になったのに、まだ分からないのか。もしあんたたちが俺の母親と妹によくしてやらないことが分かったら、村の入り口には鬼を放ち、村の出口には呪いのマントラを掛けてやり、人っ子一人いなくなるぞ。村は廃墟と化して、いきつく暇もなくなるぞ。分かったか?」

 村人たちはフェイマオタイの話を聞くと、恐ろしさで全身が震えた。彼らはお互いを見つめ、一言も出なかったが、押したり引いたりの末に、とぼとぼと一人また一人と帰っていった。

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