チベットの光 (24) 再度、雹を降らせる

ウェンシーは師父を供養するために数日もロツアウ谷で物乞いした。彼は物乞いしてきた裸麦で大銅燈、酒、肉を買った。そして、余った裸麦を頭陀袋の中に入れ、その上に大銅燈を括り付け、それを背負って歩き回った。頭陀袋一杯の裸麦に、大銅燈を括り付けると、それは実際耐えられない重さとなった。ウェンシーが、それを担いで尊者の家の前まで来ると、疲労困憊して荷物をどさっと地面に置いたので、家全体が振動でぐらぐらとした。

 このとき尊者は食事をしていたが、突如として物音がして家が振動したので、急いで外に出て何事かと確認し、ウェンシーをみとめると大声で言った。「このちびすけのくそ力が!家を壊して、わしを圧死させるつもりだったか?」そういうなり、ウェンシーを足蹴にした。「何をそこでぼうっとつったっているんだ。早くその頭陀袋をもっていけ!」

 ウェンシーはこれを聞くと、急いで頭陀袋一杯の裸麦を外に運び出した。彼は、やみくもに怒鳴られ、足蹴にされたものの、心の中には何の不満もなく、また何の悪い思いも起きなかった。彼は歩きながら考えた。「この大先生は癇癪持ちだ。以降は細心の注意を払って応対しなきゃ」

▶ 続きを読む
関連記事
心臓病対策というと、コレステロールや薬を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし近年の研究では、運動と睡眠が骨髄の炎症性細胞や動脈プラークに働きかける可能性が示されています。費用のかからない日々の習慣が、心臓を守る力になるかもしれません
誰に教わることもなく精巧な巣を編み上げる鳥たち。スズメ大の鳥が築く百年続く巨大な「命の都」を手がかりに、単なる「本能」という言葉では片付けられない生命の驚異と、万物が織りなす壮大な調和の神秘に迫る
「炭水化物は炎症を引き起こす」は思い込みかもしれません。サツマイモ、豆類、そば、キヌア。正しく選べば、炭水化物は炎症を抑える強い味方になります。栄養士が教える食べ方と簡単レシピも紹介します
ある70代の女性は反応が次第に遅くなったため、家族は認知症を疑っていたが、白内障手術を受けたところ、症状が改善した。この女性の身体には何が起こっていたのか
スージー・ワイルズ米首席補佐官は乳がんを患っていた時期を振り返った。がんと懸命に闘う一方、負担の大きい首席補佐官の職務を担い続け、トランプ政権2期目の中でチームを率いながら最終的に回復したワイルズ補佐官の気づきとは