新潟で講演した安倍晋三前首相は、日本は米中戦の最前線にあるとして、外交安保の洗練する必要性を訴えた。2020年12月、首相官邸で報道陣に囲まれる安倍首相(当時)(STR/JIJI PRESS/AFP via Getty Images)

安倍前首相「日本は米中のフロントライン」外交安保の洗練を訴え

安倍晋三前首相は27日、新潟県新潟市で開かれた自民党新潟県連の会合で講演し、米中対立を論じるなかで、日本を含むインド太平洋地域が米中対立の最前線にあるとの認識を示した。

安倍氏は演説の中で、「今、台頭する中国の軍事力、一方的な現状変更の試みを東シナ海、南シナ海で行っている中において、フロントラインがインド太平洋に移ってきたと言ってもいいだろう。」と述べた。「我々は認識としてインド太平洋地域、日本を含めたラインがフロントラインになってきたという認識、覚悟を持ちながら、しっかりと外交安全保障政策に取り組んでいく必要がある」と付け加えた。

4月8日に菅義偉首相が訪米、9日に予定されているジョー・バイデン大統領との日米首脳会談について、安倍氏は「バイデン大統領が初めて対面で行う会談だ。アメリカにとって世界の中で外交安全保障上重要な地域がインド太平洋に移ってきたということだ」と語った。菅首相はバイデン大統領と首脳会談を行う初の外国首脳となる。

2012年から約8年間政権を舵取りした安倍氏は、憲法改正を実現できなかったことが悔やまれると述べた。そして、今でも多くの自衛隊員が、命がけで緊急出動していると述べ、改めて憲法9条を改正して自衛隊の存在を明確に記録する必要性を訴えた。

(佐渡道世)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。