古代中国の物語
裁判官のはなし
宋の時代、黄という高官のもとに、袁州から2人の友人が訪ねてきた。話をしているうちに、2人は黃に袁州へ一緒に行こうと誘った。黄は固く断ったが、友人たちが強く勧めてくるので、仕方なく一緒に行くことにした。
袁州に到着したが、黃は城内に入るのを嫌がった。しかしそんなことはかまわずに友人たちは黃を引っ張って城内に入った。そのとたん、黄は激しい腹痛に襲われ、それから一晩中苦しんだ。友人たちはいぶかしげに聞いた。「一体、君はどうしたというんだ? 昨日は袁州に誘ってもなかなか来ようとしなかったし、今は病に苦しんでいる」
すると黄は、自分はもうすぐ死ぬのだ、と力なく答えた。彼は友人たちに妻と母親を呼び寄せるよう頼むと、今にも死にそうな声で三年前の話をしはじめた。それは黄が袁州の裁判官だったころの話だった。
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