テレビ時代劇での一場面です。
「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵が、夜も更けた居酒屋で、亭主を相手に時を過ごしていました。そこへ来たのは夜鷹の女「おもん」。平蔵は、女に遠慮させようとする亭主を制して「なあに、俺のほうがよっぽど目障りだよ。かまわねえから、こっちへ入(へえ)んな」。
この「へえんな」に鬼平のかっこよさが凝縮されています。悪党どもには「鬼」と恐れられる火盗改方ですが、卑しい身である夜の女にも、分け隔てなく、あふれる優しさを向けられる男。それはもはや、文化的価値のある名シーンかもしれません。
歌舞伎俳優・中村吉右衛門さんの、テレビでの当たり役です。先日、その吉右衛門さんが食事中に倒れて、現在も療養中とのこと。東銀座にある大紀元オフィスは歌舞伎座のすぐ近くです。無事のご回復を、お祈りしています。
(慧)
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