≪医山夜話≫(41)

漢方も急病を治療できる  

私の鍼灸医術は先祖から代々伝わってきたもので、私はこれを大切にし、謹んで医療行為を行なっています。

 私の診療所には三つの診察室があり、大半の時間は何事もなく平穏に過ごしています。出入りする患者にはさまざまな症状を訴え、さまざまな人種、さまざまな年齢の方がいます。しかし、時には「非常事態」が発生して、医者を困らせる重症患者が来ることもあります。

 「このような患者をどうして救急に搬送しないのか? 漢方医に舌と脈を診てもらうのは、時間の無駄ではないか?」と、読者は心配するかもしれません。急性疾患を治療するのは西洋医学で、漢方医学では慢性病しか治療できず、急性の患者には対応できないと考える人が多いでしょう。実は、緊急手術を要する場合を除き、漢方医学でもかなりの急性疾患に対応することができます。例えば、私の診療所に来られる患者の中には、狭心症の発作、吐血、熱中症、一時失神、喘息の急性発作を起こして来られる方もいます。鍼灸治療を施すと、いずれも病状が改善しました。

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