中国大使、トルコでも戦狼外交 ツイッターが炎上 新疆問題めぐり
トルコの中国大使館のツイッターアカウントが、新疆ウイグル人を支持する同国政治家のツイッター投稿を批判したため、トルコ市民からの批判が殺到し、炎上した。トルコ外務省も6日、中国大使を呼び出して抗議した。
トルコの優良党(Iyi Party)のメラル・アクシェネル(Meral Aksener)党首と同国の最大野党・共和人民党(CHP)で指導的な立場にあるマンスール・ヤワシュ(Mansur Yavas)氏は5日、ウイグルの「バレン郷事件」31周年記念日を記念し、同事件についてツイートした。
「バレン郷事件」は新疆ウイグル自治区のアクト県バレン郷で、1990年4月5日に起きた反政府の大規模な農民蜂起事件である。ウイグル分離独立派と中国軍の衝突により死者が出た同事件を機に、ウイグル人が大量に逮捕され、それ以降トルコへ数万人が脱出したとされている。
アクシェネル氏は「われわれはウイグル人に対する中国当局の迫害にいつまでも沈黙していない」とツイートした。
ヤワシュ氏は、「1990年の大虐殺の痛みを今でも感じとれる」と述べた。
トルコの中国大使館は6日午後、「新疆ウイグル自治区が中国の領土の不可分の一部であることは、国際的にも認められ、議論の余地がない事実である」とツイートした。
また別のツイートでは、「わが国の主権と領土的一体性に対する個人あるいは権力からのいかなる挑戦にも断固対抗する。中国側は正当に対応する権利を留保する」と述べた。
この2本のツイートがトルコ人の敏感な神経を逆なでしたようだ。中国当局によるウイグル人への迫害は、民族、言語、宗教において密接な関係にあるトルコにとって、敏感な話題だ。
トルコ外務省は6日、劉少賓・駐トルコ大使を召喚し、中国大使館のソーシャルメディアアカウントの投稿内容に対する不満を表明した。
現在、少なくとも5万人のウイグル人が迫害から逃れるため、トルコに住んでいると推定される。
ネットユーザーから批判が集中「トルコ人を脅すな」
中国大使館の投稿にトルコのネットユーザーから批判が殺到した。コメント欄には8000件以上のメッセージが書き込まれた。
「この国はあなた方の植民地ではない。この国の国民を脅すことはできない。外交ルールを守れ!」
「何をするつもりだ?トルコの党首と市長を自宅から連行しようとしているのか?…あなた方がウイグル人にしたことはユダヤ人が経験したのと同じことだ…トルコ人を脅すな」
「どうする? アクシェネル氏もヤワシュ氏も強制収容所に入れるつもりなのか?大使館なんだから、大使館らしく振る舞いなさい!ルールを知らないなら、出ていけ!」
トルコ外務省は2019年2月、中国による新疆ウイグル人に対する迫害を批判する声明を出している。
声明は、「中国当局によるウイグル人への同化政策は『人類にとって最大の恥』、100万人以上のウイグル人が恣意的に逮捕され、強制収容所や刑務所の中で拷問され、政治的に洗脳されている。それらのことは、もはや秘密ではない」と述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)