4月4日に95歳で逝去された橋田壽賀子さん。橋田さんの脚本によるドラマには数々の名作がありますが、私の印象に残っているのは2005年のNHKドラマ『ハルとナツ 届かなかった手紙』です。
時代は戦前。北海道の農村から、当初は3年間の出稼ぎのつもりで、一家でブラジルへ渡った長女ハルと、直前の眼病のため移民船に乗れなかった次女ナツ。運命に引き裂かれた姉妹の「届かなかった手紙」をめぐって、戦中から現代までの、空白の時間が取り戻されていきます。
ブラジルに渡った日本人移民の想像を絶する苦難と、それに負けない不屈の大和魂は、このドラマのなかにもよく描かれていました。今日のブラジル社会で日系人が高い評価を得ているのも、こうした先人の偉大な貢献があったからでしょう。
橋田さん。いいドラマ、ありがとうございました。
(慧)
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