チベットの光 (36) 師母のルビー

ウェンシーが工事を再開してからしばらくすると、ウェイチャンからまた信徒がきて師父を供養し灌頂をもとめた。

 師母は、ウェンシーが苦労して工事に明け暮れても金がないため灌頂を受けられないのを不憫に思い、また不公平に感じていた。そのため彼女は、ウェンシーの供養の手伝いをしてやろうと思い、しばらく考えた末に彼のもとへと駆け寄った。

 「怪力君、今度の灌頂はどんなことがあっても受けるべきよ」。師母はこういってウェンシーにルビーを一石手渡した。「この宝石で師父を供養し、灌頂を受けなさい」

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