4月12日未明、暴徒が香港大紀元の印刷工場を襲撃した。写真はコンクリートを撒かれた印刷機械(余鋼/大紀元)
【香港大紀元襲撃事件】

地方議会議員 メディア襲撃は「容認されない」「恥ずべきこと」

12日未明、ハンマーなどの凶器を持った4人組の男らが香港大紀元の印刷工場に侵入し、印刷機械を破壊した。一部の機械には砕いたコンクリート片が撒かれ、使用不能となった。大紀元香港は、犯行の様子を記録した監視カメラの映像をSNSで報じた。これを見て、オンラインでは多くの日本人が義憤をあらわにした。事件に関して、民衆の声を代弁する議員に意見を伺った。

鈴木議員「言論に対する弾圧は容認され得ない」

 

「私は怒っている」。鈴木正人・埼玉県議会議員は取材に対し、直感的に答えた。

「トンカチを持って(暴力行為に及ぶ)なんて、ヤクザの抗争でもなかなか見られない。大紀元の言論が気に入らない、言論をつぶしたい人たちの仕業でしょう」と話した。

会合に参加する鈴木正人・埼玉県議会議員。3月31日、衆議院議員会館にて撮影(王文亮/大紀元)

報道機関は民衆の「知る権利」を保障する要である。暴力的な手段で報道機関を攻撃するのは独裁政権の常とう手段だ。「暴力を使い、自分たちの気に入らない言論をつぶすという行為は世界中どこにいても認めてはいけない」と鈴木議員は強調した。

「香港は今にも飲み込まれている状況だから、非常に危惧している。ただでさえ言論の自由が無くなってきているのに、この行為は許せない」。

拡張を目論む中国共産党について、鈴木議員は「香港は政府そのものが中国共産党寄りになっている。中国共産党はいま調子に乗っている。同様のことが日本で起こらないとも限らないのではないか」と危機感をあらわにした。

鈴木議員はさらに、中国共産党による洗脳教育の危害について、「中国人のなかには過剰な『愛国心』を持ち、中共を代弁する方もいる。中共の言い分をそのまま日本で言うのはいかがなものか」と苦言を呈した。

丸山議員 報道機関に対する襲撃は「恥ずべきこと」

「香港の大紀元に対する襲撃は私が知る限りこれで2回目だ。ひどい出来事だ。これは言論に対する弾圧である」。逗子市議会議員の丸山治章氏は大紀元の取材に対しこのように述べた。

犯人は捕まっておらず、香港警察が現在捜査中であると伝えると、「犯人は捕まっていないが、大体憶測はできる。確定ができないのが悔しい」と話した。

討議に参加する丸山治章・逗子市議会議員。3月31日、衆議院議員会館にて撮影(王文亮/大紀元)

香港では、中国共産党による高圧的な統治がますます強化されている。中国共産党がそのイデオロギーや統治手法を本土から輸出しようとする動きに対し、日本も対岸の火事として済む話ではない。

危機感を持った丸山議員は、「知り合いの地方議員と情報を分け合い、日本国内でも(この問題について)訴えていきたい」と述べた。

そして、「(大紀元に対する襲撃は)本当にひどい。21世紀でそのようなことをやっているのは本当におかしい。言論の自由が保障されている現代国家において、暴力で(言論に)対抗するのは恥ずべき事だ」と述べた。

(王文亮)

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