≪医山夜話≫ (61)
ルイのオートバイの旅
人は人生の中で、記憶に残る瞬間というものがひとつやふたつあるものです。それは、例え衝撃的な出来事でなくても、何かの拍子に蘇ります。その人にとって、その一時は、とても意味のある出来事なのです。
私には2歳離れた兄がいて、よく二人で一緒にいろいろな計画を話しました。その頃、家には1台の中古の自転車しかなく、いつもパンクさせては、タイヤを何度も修理していました。そこで私たちは、ある「野心的な計画」を立てました。
ある晩のこと、夕飯を食べた後に計画通り、兄が母にその「野心的な計画」を語り始めました。私はこっそり隠れて二人の会話に聞き耳を立てていました。
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