弟子規(6)
親(Qīn) 有(yǒu) 過(guò),諫(jiàn) 使(shǐ) 更(gēng);
怡(Yí) 吾(wú) 色(sè),柔(róu) 吾(wú) 聲(shēng)。
諫(Jiàn) 不(bù) 入(rù),悅(yuè) 復(fù) 諫(jiàn),
號(háo) 泣(qì) 隨(suí),撻(tà) 無(wú)怨(yuàn)。
【注釈】
(1)諫:勧告する。
(2)更:改める。
(3)怡:穏やかで和やか。
(4)吾:我。
(5)色:顔色。
(6)柔:柔和。
(7)不入:受け容れない。
(8)悅:機嫌がよい。
(9)復:また、繰り返し。
(10)號泣:涙を流して泣く。
(11)隨:随う。
(12)撻:打つ、折檻する。
(13)怨:恨む。
【日文参考】
父母が過ちを犯したら、それを改めるよう勧めなければならず、顔色はにこやかに声色は柔和なものでなくてはならない。父母がこれを聞き入れないとき、彼らの機嫌の良いときに再度勧め、それでも聞き入れてもらえなければ、泣いて求め、たとえ折檻されても恨みを抱かない。
(竜崎)
関連記事
われわれが書見をする書斎は整理整頓を心がけ、壁も乾燥させ、きれいにしておくこと。大小の机も清潔に保ち、机の上の文具もきちんと置いておく。墨を摺る時は心を専一にし、墨が偏って減らないように注意する。偏って減るときは、心ここにあらずという状態になっている証拠である。字を書く時は慎重に書く。随意に間違った字を書くのは、既に心性に問題が生じている。
読書をするには、三つの事をしっかりやる必要がある。心で考え理解し、目で見て確認して、口で唱え音読するのである。この三つは非常に重要である。この一書を読み終わらないうちは、別の一書を想ってはならない。読書の計画には余裕があってしかるべきであるが、読書の時には集中力が必要である。時間と労力を費やせば、分からない個所も自然と通じるものである。読んでいてもし心に疑問が湧いたら、即刻に筆記して書き留めておき、人を探して本当の意味を確認しておく。
およそわが身をもって実行しないものは、本の上だけで知識を得て応用を知らないものであり、実践的ではなく、将来どのような人になるか皆目見当もつかない。しかし、盲目的に物事をやってしまって、本の上から知識と経験を学ばないものは、頑固に自分勝手を通しているだけであり、かえって本当の道理を理解できないものである。
人間は同じように見えるが、その性情は大いに違う。大多数の人は平凡であるが、本当に徳性に度量があって高尚な人は極めて少ない。もし、本当に徳性が優れていて高い人であれば、皆が彼を尊敬する。なぜなら、彼はこびへつらって人にとりいったり、嘘偽りで人に付け入ったりしないからである。
家の男女の使用人に対するとき最も重要なことは、自身の言行を端正無私にし、かつ慈しみを厚くして度量を大きくし、苛めたり圧力を掛けたりしない。