こちら東京は、天気は悪くないのですが、連日の「コロナ感染、今日は○○人」で、つい曇天のような気分になってしまいます。
気晴らしに開いたのが兼好法師『徒然草』。第93段に、こんな話がありました。
「ある人が、牛売りにこう言った。明日、この牛を売ってくれ。代金は明日もってくる。牛売りが喜んでいると、その夜に牛が死んでしまった。牛売りにすれば非常に残念だったが、実は、残念ばかりとも言えない。人も動物も、命あるもの全て、自分の死が近いことを知らないからだ。牛売りにしてみれば、牛は死んだが、自分はまだ生きているではないか」。
その上で、兼好法師は「人の一日の命は、万金よりも重い価値がある」と言います。生きていることを有難く思い、そして「今日の命を大切にせよ」と。
さすが兼好さん。深いことを言われますなあ。
(慧)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。