チベットの光 (64) 師父の書簡

プダは、ミラレパの美しい歌声を聴いているうちに、だんだんと心が落ち着いてきた。彼女は、歌で歌われている故事をつぶさに聴いた後で言った。

 「もしお兄さんの言っているようなことが本当のことなら、それは稀有で得難いことだわ。だけど、お兄さんの言っているような修煉方法を誰が知っているというのかしら。信じられるようで、信じられないし、本当のことなのかしらね。もし本当のことだったとしても、他の佛を学ぶ人があなたのようにしているのを見たことがあったかしら。もし不完全なものであったしても、少なくとも賛成できるところもあってよ。だけど、お兄さんのような修煉方法は、まだ人が言っているのを聴いたこともないし、見たこともないわ」

 彼女は、そう言いながら、持ってきた酒と食物をミラレパに渡した。ウェンシーは、それらの食物を口にすると、すぐに精神がしゃっきりとして、智慧が増した。その晩さっそく打座すると、自らの道が大きく前進したと感じたが、同時に、長らくちゃんとした食物を口にしていなかったせいか、心身に痛みと混乱を覚え、意念が乱れた。

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