2011年11月22日、北京郊外にある石炭火力発電所の冷却塔(GOH CHAI HIN/AFP/Getty Images)

中国、19年CO2排出量が世界の27% 30年間で3倍以上拡大

米シンクタンクのロジウム・グループ(Rhodium Group)が6日に発表した報告書で、2019年に中国が排出した温室効果ガスは、世界全体の27%を占め、経済協力開発機構(OECD)加盟国の合計排出量を初めて上回ったことがわかった。

ロジウム・グループによれば、中国の排出量は1990年に先進国の排出量の4分の1以下だったが、過去30年間で3倍以上増加した。2019年の排出量は炭素換算で14ギガトン以上に達した。

同報告書は、2019年世界の温室効果ガス排出量の国・地域別割合について、中国は全体の27%を占め、最多となった。米国は約11%で2番目に多い。また、インドが6.6%、EUが6.4%とそれぞれ3位、4位となった。

1人当たりの排出量に関して、中国は過去20年間で約2倍増え、10.1トンに達した。しかし、1人当たり排出量では、中国は米国の17.6トンを下回っている。

また、報告書は、2020年の最終結果はまだ入手できていないが、「20年に中国の1人当たりの排出量はOECDの平均水準を上回る」と予測し、「20年中国の排出総量が1.7%増加したと推定する」とした。報告書は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大で、中国を除いた他の国の排出量が減少したことを明らかにした。

米政府と中国当局は4月中旬、温室効果ガスの排出削減に向けて協力していくことで合意した。

バイデン米現政権で気候変動対策を担うジョン・ケリー(John Kerry)特使は、中国と習近平主席のコミットメントがなければ、排出削減の努力は無意味だと強調してきた。

ケリー氏は4月、インドメディアの取材に対し、気候変動問題や温室効果ガスの排出削減をめぐって、中国は「非常に重要な役を務める」と述べた。

リック・スコット(Rick Scott)米上院議員(共和党)は6日、「共産党政権の中国は世界最悪の汚染国である。中国当局が今後、改善するとは思えない」とツイートした。議員は、中国当局との「歯切れの悪い協定」は、気候変動問題の真の解決策ではないと指摘した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
通学中の学生を狙った社会報復事件が絶えない中国、学校前は厳重警備。
その非人道的な所業から多くの国から停止を求められている中共の臓器狩り。中国共産党は否定しているが、今回、党内部の官僚から内部告発があった。告発者は「これはすでに産業化された仕組みだ」と述べている
10年前、中共は「中国製造2025」計画を掲げハイテク製造業強国を目指した。しかし現在、中共は知的財産権侵害や不公正競争の指摘を受けている。EVや高速鉄道で進展も、核心的な技術は不十分だ。
中国の資本市場から11月に457億ドルの資金が流出し、過去最大を記録。トランプ氏の関税政策への懸念と中国経済の不安定さが主因。中国政府の景気刺激策は市場の期待に応えられず、人民元も下落。習近平は窮地に陥っている
閑古鳥鳴く武漢市のランドマーク。家賃は暴落でも管理費用は上がっている?