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≪医山夜話≫ (11)

金銭で買えない病気の代役

私の友人に、ダイアナという女性がいます。ある日、病院に行った彼女は医者に言いました。「この世の中、何でもお金で買えますが、私の代わりに病気にかかってくれる人はなぜ見つからないのでしょうか? お金を使えばどんなサービスでも手に入りますが、私に代わって病気になってくれる人が見つかりません」。この話は一見、とてもおかしく聞こえますが、これはまさしく彼女の心の底から発した声なのです。

 某大手会社の副社長を務めるダイアナは地位と名声を手に入れましたが、健康状態は悪化しました。自分の肥満症を治すために、彼女は知恵を駆使して世界で最も先進的な治療法を探っていました。

 ダイエットのため、彼女は最も有効的かつ簡単であると思われる方法を選びました。自分の胃袋の3分の2を切除することにしたのです。これが、過食で太る悩みを根本から解決すると思っていました。しかし、手術後彼女はいつも飢餓感に襲われ、一日3食から一日10数食に変わり、体重は以前より増えてしまいました。

 ダイエットの失敗から、彼女は自分の知恵と能力を疑いはじめ、自信を失い、ひどく落ち込みました。医者からはうつ病と診断され、処方された薬の強い副作用のためか一層食欲が増し、さらに不眠症にも苦しみました。彼女は睡眠薬も服用するようなり、一難の上に一難を重ね、悪循環に陥ったのです。

 彼女は、あちこちの病院を訪ねました。様々な医師から薬が処方されましたが、どれも病気の改善には至らず、かえって性格が荒っぽくなり、いつもイライラしていました。「お金を払うから、誰か自分の病気を貰ってほしい」とまで嘆くようになったのです。

 深層の生命原理から見れば、病気の根本原因は業力です。業力はすべて自分自身が良くない行いをしたから生じたものなので、自分自身で償って消さなければならず、他人が取って代えられるものではありません。もし本当に取って代えられるのであれば、世の中に天理がなくなってしまいます。お金を借りたまま、返さずに済むのでしょうか?そのようなことが、宇宙の中で許されるでしょうか? 常人には、これが分かりません。病気になっても自らの行いを省みず、安易な治療法を求めて、更に悪い結果を招いてしまうのです。

 

(翻訳編集・陳櫻華)

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