2007年7月31日 ワシントンDCでウォール・ストリート・ジャーナルを読む女性(KAREN BLEIER/AFP via Getty Images)
<オピニオン>

中国はどうアメリカ人の考えを変えているのか

アメリカの軍事・防衛費は年間およそ7000億ドル。一方、それより遥かに少ない費用で対米戦略を成功させているのが中国だ。中国は、アメリカのメディアを掌握すれば、人々の考えを変えられることを知っている。アメリカ人ジャーナリストの「良心」は買えなくても、十分なお金を使えば「好意」が得られることを、中国は熟知しているのだ。

保守系メディア「ナショナル・パルス」は昨年、中国共産党の宣伝を担当する少なくとも1つのグループが、アメリカのメディア50社から120人以上を選び、無料の視察旅行に招待していたことを明らかにした。その見返りはもちろん、中国共産党に関する好意的な報道である。記者たちは中国の主要都市で政府関係者と会い、文化遺跡や企業を視察しながら、「中国の様々な分野における発展」を見学するツアーに参加したという。

旅行を手配したのは、中国・米国交流基金会(CUSEF)である。米中安全保障検討委員会の調査報告書によると、CUSEFの設立者は初代香港行政長官の董慶華氏で、現在彼は「統一戦線」を管轄する中国人民政治協商会議(CPPCC)の副主席を務めている。

▶ 続きを読む
関連記事
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
米中首脳会談で延長の「貿易休戦」。だが、レアアース問題は解決していない。米欧が供給網を再構築するまで数年を要する一方、北京はなお輸出管理を交渉材料にできる。2027年1月10日までの「時間」をめぐる競争が始まった
トランプ大統領が習近平を空港で出迎えた異例の対応。厚遇の一方、米軍基地では軍用機も並んだ。交渉の場づくりから国力の誇示、過去の歓迎への返礼まで、その狙いを五つの側面から読み解く
米国で進む「未婚化」。18~39歳男性では、未婚者が既婚者のほぼ2倍に達した。なぜ米国人は結婚しなくなったのか
米宇宙軍とSpaceXが軌道データの共有で合意。スターリンク衛星の観測データと軍の高精度な情報を組み合わせ、宇宙ごみや衛星の動きをより詳しく把握する。将来的な軍事利用も視野に入る