大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【歌の手帳】山が遠ざかる

また見ることもない山が遠ざかる(種田山頭火

種田山頭火(たねださんとうか1882~1940)の作。これを「俳句」といってよいのか分かりませんが、自由律俳句と呼ばれています。

五七五の定型もなく、季語も季題もない、俳聖・芭蕉が聞いたらひっくり返るほど破天荒な短詩形。ところが、これがなかなか、腹ぺこの時に焼き芋を食べたような、胃にずしんと落ちる重みを感じる「文学」なのです。

種田山頭火という人は(ほめ言葉として言うなら)間違って人の世に生まれてきたような人間でした。吹く風や流れる水の本性を生来もっていましたが、結局、風にも水にもなれず、人の金で大酒を飲み、山谷を放浪します。

よろよろと歩く山頭火。その傍を、また一つ、山が遠ざかって行きました。

(聡)

 

(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!

関連記事
釈迦牟尼佛が父王の死に際し、人生の無常や執着を超える道について語り、難陀に出家を促すまでの感動的な物語。
断食の基本は「賢く食べること」 老廃物を輩出し、細胞を健康にして免疫力を高めるために、食べない時間を決めることなのです。顔中に吹き出物があった人が断食をして、吹き出物がきれいに消えた人を見たことがありますが、本当に美しい肌になりました。
香港で唯一の「レゴ認定プロビルダー」の洪子健さんのチームは最近、長さ26メートル、幅1.78メートルの中国絵画の至宝「清明上河図」を再現し、ギネス記録に認定した。
歳を取れば更年期障害。しかし、心を磨いてきた人にはなんてことはない。気分が軽いということは執着が少ないということ。どんな欲望や執着に対しても、離れて淡々とすると、体は軽くなる。
プロのテクニックで南向きの窓もピカピカに!筋を残さず仕上げるためのスキージー技術と道具の選び方を解説