5月東京・渋谷の交差点(Yuichi Yamazaki/Getty Images)

10人のうち8人が中国に否定的な見方=ピュー世論調査

米国を拠点とするピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が実施した調査によると、中国の人権侵害への懸念で、先進諸国で中国に対する否定的な見方が記録的な高水準にとどまっていることがわかった。

ピュー研究所は2月1日から5月26日まで、先進国の17カ国で1万8850人の成人を調査対象とした。中国共産党が百周年を迎える前日の6月30日に調査結果を発表した。

報告書によると、回答者のうち8割が中国に対して否定的な見方をしており、中国共産党政権は「中国国民の個人的な自由を尊重しない」と認識しているという。

「調査の結果は、中国に対する否定的な見方が各調査対象国における最高値となっている。2018年からイタリア、韓国、オーストラリア、カナダとイギリスなどの国は大幅に上昇している」と報告書の執筆者が説明した。

調査結果によると、カナダ、ドイツ、韓国、米国では否定的な見方が過去最高値となった。今回の調査では、およそ76%の米国人が中国に対して否定的な見方をしていると回答しており、昨年よりも3ポイント上昇した。

日本(88%)、スウェーデン(80%)、オーストラリア(78%)、韓国(77%)などが中国に対して否定的な見方を示している。中国に対して好意的な見方を示したのはシンガポールとギリシャだけだった。

今回の調査結果は、中国当局が宗教的少数派や民族的少数派への弾圧や、2020年7月に香港で国家安全法を施行するなど、人権侵害に対する批判が高まっていることを受けている。

同研究所はまた、シンガポールとニュージーランドを除いた15カ国は、調査対象者の半数以上が中国より米国と経済関係を構築することが重要であると答えた。

さらに、アジア太平洋地域でシンガポールを除いて、習近平国家主席の国際問題への対応について、過半数は不信感を抱いていると回答した。日本では86%で最も多い。いっぽう、70%のシンガポール人が習近平氏を信頼していると調査で明らかになった。

報告書の執筆者はさらに、「中国は自国民の自由を尊重しないという認識が広まっているにもかかわらず、適切な対応はどうあるべきかについて一般の意見が分けている」と結論付けた。

(編集翻訳・蘇文悦)

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