北京で、放課後の学習塾塾に通う子供たちと付き添う親 (Noel Celis/AFP via Getty Images)

「西側」思想を排除する中共 塾の外国教材使用を禁止

中国共産党(中共)政権は最近、国内の学習業界に対する新たな取り締まりとして、外国の教材を使用することを禁止した。専門家は、中共政権が教育のすべての分野において、若者向けのイデオロギーの統制を強化していると指摘する。

 

中国教育部は7月24日、学習塾に対する新規則を発表した。それによると、海外で考案された教育プログラムを塾側が提供することを厳しく禁じている。ほとんどの中国の学習塾は自費出版の教材を使用しているが、一部の英語教習では海外の教材を使用している。

 

中国専門家のXue Chi氏は、大紀元の取材に対し、学習塾の取り締まりの動機は、「西側」の価値観、特に米国とその憲法の価値観を拒否することだという。「中共による放課後の教習機関を改革は、党のイデオロギーを塗り固めるためである」とXue氏は付け加えた。

中共体制の教育と思想の禁止は、今回が初めてではない。2019年6月、中国教育部は、米国史、世界史、欧州史、人文史などの4つのAP試験科目を、中国国内の公開試験で取り扱わないことを決めた。

 

2018年9月、教育部は地方の教育部門に対し、小中学校の教科書の調査を行い、個々の学校による独自のカリキュラムや海外の教科書の使用を禁止するよう求めた。

 

また、北京は他にも、学習塾による株式市場を通じた資金調達、上場企業の家庭教師への投資、外国人投資家のM&Aを通じた家庭教師事業への投資を禁止するなどして、教育分野の統制を強化した。

 

その結果、7月23日に香港と米国の株式市場で教育分野の中国のコンセプト株が急落した。

 

一部の教育事業者は新規株式公開(IPO)の計画を中止した。その中には155億ドル相当のオンライン教育企業 「Yuanfudao(猿輔導)」やアリババが支援する5億ドル相当のオンライン家庭教師プラットフォーム「Zuoyebang(作業帮) 」が含まれている。

 

21世紀経済報道誌の7月23日付の報道では、新規則が「基本的に猿輔導、作業帮、VIPKID(大米)などの企業の道を塞いでいる」という中国のコメンテーターのコメントを紹介している。VIPKIDは、北米の講師による1対1のオンライン英語学習塾である。

 

中国初の中外合弁投資銀行である中国国際金融(CICC)は、「教育・訓練産業に対する政府規制は、かつてないほど厳しい」とコメントしている。

逆行する教育政策

中国の教育政策は20年にわたって二極化している。習近平政権下では、校外の学習機関は非営利団体として登録しなければならない。一方、江沢民の教育政策では、教育を商品化する必要があるとし、「教育の産業化」を促進した。

 

1998年3月に陳至立氏が教育部長(大臣に相当)に就いた後、学費が上昇した。 2003年、初等中等教育は中国で2番目に収益性の高い産業となり、不動産を追いかけた。

 

中国新聞週刊は2004年7月、中国当局が教育の産業化を推進したのは、中共に教育への公的資金投入を求める声をそらすためであると報じた。これにより、教育商品やサービスの「ギャンブル詐欺」が急増した。

 

江沢民政権から習近平政権に至るまでの過去20年間、教育業界は営利促進から輸入禁止まで、急変を遂げた。いっぽう、自由な思想を統制し、党のイデオロギーを浸透させるという点で、中共の政策は本質的な変化はない。

習政権は、放課後の学舎から西側自由主義国の価値観の侵入を防ぐために、外国教材の使用を禁止した。江政権は、13人に1人の中国人が実践する平和的な法輪功の精神修養を根絶する政策を打ち出した。国家の支持を確保するために、学生の教科書に対して政権の直接管理を実施し、党の路線を広めた。

(翻訳編集・小蓮)

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